表メッセージ VS 裏メッセージ
それでは、前ページの例1と例2それぞれの表メッセージと裏メッセージを見ていきましょう。■例1
- 表メッセージ⇒ 「すぐに行くわ」
- 裏メッセージ⇒ 「ママは『すぐ行く』と言っても、すぐに来てくれるわけではない」
■例2
- 表メッセージ⇒ 「すぐに行くわ」
- 裏メッセージ⇒ 「ママは『すぐに行く』と言ったら、本当にすぐに来てくれる」
子どもはなぜ裏メッセージで学ぶのか?
では、どうして子ども達は、表メッセージよりも裏メッセージで学んでいくのでしょう?これは、私達人間の成長過程を見ればすぐに納得がいきます。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ言葉を理解していません。そんな赤ちゃんが何を頼りにしているかというと、それは、「自分の身に実際に起こった経験」です。
- 泣いたら、おっぱいをくれた ⇒ この経験で、泣くとおっぱいがくるんだ、と学びます。
- 笑ったら、パパもママも笑ってくれた ⇒ この経験で、自分が笑うとみんなも笑ってくれる と学びます。
悩んだら、まずは裏メッセージをチェック!
育児の悩みの解決法は、裏メッセージに隠れていることが少なくありません。ここでは育児の悩みの1つ「言うことを聞いてくれない」を例に挙げましたが、他の典型的な悩み「子どもが友達を叩いてしまう」「大声で泣きわめく」なども裏メッセージを探ると解決策が見えてくることがあります。もしこれをお読みになって、「表メッセージ(=言葉)に頼りすぎていたかも」と思ったら、ぜひ、生まれたばかりの我が子に必死になってコミュニケーションを取ろうと頑張っていた時期を思い出してみてください。
ママの思いが上手く伝わっているか分からない、我が子が何を訴えているのか分からない、そんな新生児期は、パパもママも「態度で示す」ことに必死だったはずです。子どもの言葉の成長はとても喜ばしいことですが、その便利さゆえに頼りすぎてしまって、「学びの根本」つまり「経験で学ぶ」ということから離れてしまっていることがあります。
言葉だけでなく、態度でもきちんと示す、これだけで、今の悩みがあっさり解決ということがよくあります。子ども達に伝えている「裏メッセージ」、ぜひ意識してみてください。