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山崎豊子さんの「偲ぶ会」レポート

2013年9月29日に亡くなった作家・山崎豊子さん(享年88)を偲ぶ会が11月27日、東京丸の内の東京會館で営まれました。その様子をレポートします。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

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東京では「偲ぶ会」、大阪では「お別れの会」を開催

山崎豊子さんを偲ぶ会。献花会場の祭壇

献花会場の祭壇。一般の人もここで献花が行われた

2013年9月29日に亡くなった作家・山崎豊子さん(享年88)を偲ぶ会が11月27日、東京丸の内の東京會館で行われました。毎日新聞社、文芸春秋、新潮社が発起人となり、共同開催という形で営まれています。

この偲ぶ会に先立って、11月23日には大阪で「お別れの会」が「一般社団法人 山崎豊子文化財団」主催により開催されています。「偲ぶ会」「お別れの会」どちらも同義の意味で使用されますがですが、今回は主催者の違いにより混乱が生じないように、名称をあえて使い分けたのでしょう。


写真パネルや生前の愛用品などを展示

山崎豊子さん直筆の原稿。取材時に使用していたテープレコーダーも飾られていました

直筆の原稿。取材時に使用していたテープレコーダーも飾られていました

偲ぶ会の会場となったのは、東京會館12階、皇居を一望するローズルーム。ここをを半分に区切って、献花会場と、偲ぶ会の会場を分けています。

受付を済ませると、まず最初に祭壇に向けて献花。祭壇はトルコキキョウ、スイトピー、ストックなど白を基調としたシンプルなデザイン。ピンクの胡蝶蘭がポイントで入っています。献花用に白のカーネーションが準備されていました。

祭壇の手前、パーテーションで区切られた別室には、生前の写真がパネルで並べられています。ガラスケースには生前に愛用したテープレコーダーや万年筆が飾られていました。


ポイントにシンボルカラーの赤

赤い縁のメガネ、赤いペンケース。赤がお好きだった山崎さん

赤い縁のメガネ、赤いペンケース。赤がお好きだった山崎さん

偲ぶ会は、13時より発起人による挨拶から始まりました。お別れの言葉は俳優の渡辺謙さん、そして仲代達也さんと上川隆也さんからはメッセージが届き、司会者が代読。その後、しばらく30分ほど歓談の時間になり、終盤に差しかかかったところで、公の場に出るのは最後となった2009年毎日出版文化賞特別賞表彰式の際の映像が流されました。

戒名は「松壽院殿慈簾翠豊清大姉」。献花会場とは別に設けられた偲ぶ会会場のミニ祭壇に、位牌が安置されています。赤いグッズを好んで身につけていたからでしょうか、位牌はローズ色の紫檀系の材質で総丈20cm弱の京千倉型。献杯時には、カシスを入れたリキュールをシャンパングラスに注いで位牌の前にお供えしています。白いミニ祭壇に、ローズ色の位牌、ワインレッド色に染められたシャンパングラスが華やかな雰囲気をか醸し出していました。

山崎豊子さんの会葬礼状と毎日新聞の特集号

会葬礼状と毎日新聞の特集号

会葬礼状として配られたのは、発起人による挨拶状と、11月25日の毎日新新聞の特集号としてまとめられた山崎さんの軌跡。映像で流れた毎日出版文化賞特別賞表彰式でのコメントも書かれているのですが、そこには戦時中、銃弾の弾磨きをすることが苦痛で、さぼって本を読んでいたところ、担当者に見つかって殴ら倒れてしまったこと、そしてその時に書く方向がはっきり決まったことなどのエピソードも盛り込まれています。

「失われた青春を返してください」最後にそう訴えた表彰式。遺作となった「約束の海」は、改めて戦争について特に若い人に知ってほしいという願いを込めて書き上げられたものだそうです。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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