桐谷さんのドン底生活を救ったのは、株主優待だった

桐谷さんの収入ゼロ時代を救ったのはお米券などの優待

桐谷さんの収入ゼロ時代を救ったのはお米券などの優待

3億あったはずの資産が5000万円にまで下落し、失意の日々を送っていた桐谷さん。しかし、そんな暮らしを救ったのが、保有銘柄から送られてくる優待品でした。お米券や缶詰め類、その他の優待で、食べることには困らなかったと言います。

「その後ぎりぎりの生活を送っている時も、衣食住のうち、衣と食は優待でまかなえたから、家賃や光熱費以外のお金は使わずに済んだ。これは本当にありがたかったですね」

優待のメリットを身をもって感じた桐谷さんは、投資スタイルを変更。値上がり益をひたすら狙う手法から、株主優待銘柄をたくさん所有して分散投資するスタイルへと軸足を移します。

「なかには、5~10%の優待利回りを出しているところもある。そういう株主優待を出していて、なおかつ会社の業績がいいところを買っていれば、その会社が倒産しない限り、優待で暮らしていけます。分散投資なら1社が倒れても怖くありませんしね。だいたい3000万円くらいの資金を優待株に投資していれば、配当と優待で年間200万円くらいが得られる。老後の年金代わりにもなります」

億万長者には戻らなくていい。優待ライフを楽しみます

最近では信用取引もやめ、1日数銘柄のトレードを緩やかに行なう程度。現在は、株主優待がある銘柄を約400、その他、優待がない銘柄を200ほど保有しているそう。

「アベノミクスの最初のほうで幾分戻したので、信用取引はやめました。いい加減もうトシなので、危ない橋を渡ってハラハラドキドキしたくないんですよ。実は、株の売買もそろそろやめどきかなあと思ってるんです。ピーク時からすれば資産は半分以下だけれど、今は、配当と優待で楽しく生活できているので、億万長者には戻らなくていいかなと」

基本的には株主優待のみでお金を使わない暮らしをしている桐谷さんですが、家賃の13万円と光熱費3万円、そして毎月実家に戻る交通費2万円の合計18万円の固定出費のみを現金で支払っています。

「とはいえ、配当金や使い切れない優待券を金券ショップで売ったお金を充てるので、実質的には、ほとんど優待でまかなえていますね」

「狩猟民族から農耕民族になりました」(桐谷さん)

バブル崩壊、リーマン・ショックと地獄を見た桐谷さんはようやく「優待投資」という安息の地を見つけることができたようです

バブル崩壊、リーマン・ショックと地獄を見た桐谷さんはようやく「優待投資」という安息の地を見つけることができたようです

「私の株の歴史は、人類の歴史と一緒なんです」と、自身の株遍歴を振り返る桐谷さん。

「人間は狩りをして獲物を取りに行くことを経て、収穫を待つ“農耕”を覚えた。まさに僕もそうで、信用取引で値上がり益ばかりを狙っていた狩猟時代を経て、優待のある株を買うという“種まき”をし、今は、優待と配当の“収穫”を得ている。まさに人類の進化と同じ経過をたどっているんです」

次のページでは桐谷さんのお部屋訪問です

桐谷 広人さんプロフィール
1949年広島県出身、将棋棋士・投資家。日本テレビ系のバラエティ番組『月曜から夜ふかし』で現金を使わず、株主優待のみで生活をする姿が話題になった。現在はテレビ、雑誌、書籍などで幅広く活躍し『桐谷さんの株主優待生活』など著書多数。



取材・文/西尾英子 撮影/松本英明 パネルデザイン/引間良基


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。