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ペットホテルやペットシッターに犬を預ける時には

ペットホテルやペットシッターを利用したことはありますか? 犬を預ける時には、どんなところに気を配ったらいいのでしょうか。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

早いもので今年も残すところあとわずか。年末年始の予定はすでにお決まりですか? 帰省や旅行で愛犬を預けねばならない、誰かに世話を頼みたいという人も多いことでしょう。そんな時に利用したいのがペットホテルやペットシッター。しかし、ただ預ければいいというわけでもありません。それなりに事前準備や心構えも必要なのです。

ペットホテルやペットシッターのサービス内容とは

飼い主さんにも犬にも選ばれるサービスを提供するのがコンセプト

株式会社ブルックデザイン代表、小川晋平さん

そもそもペットホテルやペットシッターに預けた場合、どんなサービスを提供してもらえるのでしょうか? また、私たちはどうしても「預ける」側の観点から物事を考えがちですが、「預かる」側の人たちは日頃どんなことを感じ、考えているのか。その辺も含めて、犬にも人にも居心地のいいフリースペース空間を提供するドッグホテル36house(サブローハウス)、およびきめ細かいサービスをウリとするオレンジペットシッター、この2つのペットサービス事業を運営する株式会社ブルックデザイン代表小川晋平さんにお話をうかがってみました。

ガイド:
犬を預けるというと、まずイメージするのは散歩や食事の世話をしてもらえる、ホテルであれば犬の寝場所を提供してもらえるといったあたりのサービスですが、他にも何かありますか?

小川さん:
そうですね、ペットシッターで言えば、その他グルーミングなどの基本的なお世話はもちろん、掃除や洗濯など簡単な家事代行もさせていただきますし、動物病院やドッグサロンへの送迎、ドッグフードなどペット用品の買い物にも対応できます。これまで変わったところでは、犬連れで結婚式を挙げられた飼い主さんのご希望で、式場内での犬の世話というのもありました。要は、ペットに関係することであれば何でも対応させていただきます。特に、オレンジペットシッターの場合はそれぞれのご家庭に合ったオーダーメイドのお世話内容を提供させていただくことをモットーとしていますので。

ガイド:
散歩や食事の世話以外にもお願いできるものがあるというのは助かりますね。

中には預かりお断りのケースも

ガイド:
ところで、犬を預かると一口に言ってもどんなコでも大丈夫というわけでもないと思いますが。

小川さん:
確かに場合によってはお断りしなければならないケースというのもありますね。たとえば、吠え癖や咬み癖がひどい、散歩トレーニングがなされておらずリードを引っ張り放題だったり、トイレトレーニングもしていなくてあちこち粗相をする。そういったコは程度にもよりますが、あまりにひどい場合には、うちのホテルやシッターサービスに限らず、他の業者さんであっても預かりを断られることもあるかと思います。

ガイド:
つまりは、最低限のしつけがなされていない犬は、預かろうにも預かれないということですね。

小川さん:
そうです。36houseの場合は、そのコが自宅にいる時の環境や雰囲気となるべく近い状態で少しでもストレスなく過ごせるようにと考えていますので、完全フリースペースとなっており、お預かりした犬をケージに入れることはしません。ケージ型ホテルならまだしも、特にこうしたフリースペースでお預かりをするホテルの場合、たとえばトイレトレーニングができていないコであるなら、マナーバンドやオムツをつけることで対処できることもありますが、それが難しいというケースもあるでしょうね……。

ガイド:
中には、「犬があちこちしたオシッコやウンチを片づけること、それがあなたたちの仕事でしょ?」くらいに考えている飼い主さんもいらっしゃるんじゃないですか? ドッグランもそうですが、犬が集まる場所だから、犬たちの場所だから、犬が何しても許されると勘違いしている飼い主さんもいるように思うのですが。

小川さん:
私どものお客様の場合は、きちんとトイレトレーニングをしていながらも、「うちのコ、粗相しませんでしたか?」と気を使ってくださる飼い主さんもいらっしゃいますけどね。

ガイド:
その他、吠え過ぎや咬み癖というのも困るケースじゃないでしょうか。咬み癖の場合はスタッフの方がケガをするということもあるでしょうし。動物を扱う仕事をしている人たちはそうした傷からくる感染症のリスクも負っているのだ、ということをあまり気にしていない飼い主さんも多いと感じずにはおれないんです。

小川さん:
吠え癖や、攻撃性を含んだ咬み癖などは他にお預かりしている犬たちにとって迷惑になることは確かにありますね。咬み癖の場合は、フリースペースのホテルであれば他のコにケガをさせてしまう可能性もありますし、吠え癖にしても吠え続けているそのコ自身にとってストレスになってしまうと思いますよ。

ガイド:
確かにそうですね。他に預かりお断りのケースというと?

小川さん:
意外に忘れられがちなのが混合ワクチンの接種証明書や狂犬病予防接種済票などですね。ほとんどのペットホテルやペットシッターサービスではこれらの予防接種が済んでいること、それが証明できることが求められますので、予防接種自体をしていないとか、証明できるものがないという場合には、残念ながらお預かりをお断りしなければなりません。それから、ノミやダニがいる、他の犬にも感染する何らかの感染症をもっている場合などもお断り対象となります。


次のページでは、普段から気をつけておきたいことについて。

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