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ブラジルW杯組み合わせ抽選のポイントは三つ!

来年6月に開幕するブラジル・ワールドカップ(W杯)の出場32か国が出揃った。気になるグループステージの抽選(ファイナルドロー)は、日本時間の12月6日深夜25時(7日午前1時)から行なわれる。どのようなグループ分けが予想されるのか、組み合わせの注目点を三つに絞ってみる。

戸塚 啓

執筆者:戸塚 啓

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強豪の第1シード落ちで”死の組”が続出?

ブラジルW杯ではコンフェデ杯以上に厳しい組分けの可能性もある。

ブラジルW杯ではコンフェデ杯以上に厳しい組分けの可能性もある。

W杯の出場32か国は、4か国ずつ8つのグループに分けられる。

シード国に相当する第1ポットは、すでに決定している。開催国のブラジルに加えて、スペイン、ドイツ、アルゼンチン、コロンビア、ベルギー、ウルグアイ、スイスが指名された。この8か国は、同じグループには入らない。

「あれ?」と感じる方がいるかもしれない。強豪としてお馴染みの国々が、第1ポットから外れているからだ。FIFA(国際サッカー連盟)が発表する直近のランキング上位国が、今回はシードとなったのだ。

このため、前回準優勝のオランダ、同ベスト4のウルグアイはもちろん、イタリア、イングランド、フランスといった過去の優勝国も第1シードから漏れている。

この事実が意味するものは何か?

“死のグループ”と呼ばれる強豪国同士の潰し合いが、グループステージから繰り広げられるのだ。

日本と韓国で共催された2002年大会では、4年前の98年フランス大会でベスト8入りを争ったアルゼンチンとイングランド、アフリカの強豪ナイジェリア、欧州の伝統国スウェーデンが同居した。貴公子と呼ばれたデイヴィッド・ベッカムを擁するイングランドが2位で決勝トーナメントへ進出した一方で、優勝候補にあがっていたアルゼンチンがグループステージ敗退の憂き目にあった。

続く2006年のドイツ大会では、アルゼンチン、オランダ、セルビア・モンテネグロ、コートジボワールのグループCが“死の組”となった。ここでは、欧州予選でスペインを抑えて首位通過したセルビア・モンテネグロが、3連敗で大会を去っている。

記憶に新しい2010年の南アフリカ大会では、ブラジル、ポルトガル、コートジボワール、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のグループGが熾烈なサバイバルの舞台となった。北朝鮮を除く3か国が決勝トーナメントへ進出する2位以内を争ったが、日本が振り分けられたオランダ、デンマーク、カメルーンも、相当にタフな組み合わせだった。

コンフェデ杯以上に厳しい組分けもある

過去のW杯で“死の組”と呼ばれてきたグループの多くは、[南米1、ヨーロッパ2、その他の地域1]という構成になっている。

これには理由がある。

南米、アジア、アフリカ、北中米カリブ海の代表国はグループステージの数より出場国が少ないため、同じグループ内には入らない。ブラジルとアルゼンチン、日本と韓国といった同じ大陸のライバル同士が、グループステージで対戦することはないのだ。2か国が重複する大陸はヨーロッパだけ、とあらかじめ決められている。

日本の対戦相手としては、以下の3つの国が想定される。
1)第1シード(すでに8か国のいずれかと対戦が決定)
2)アフリカまたは南米
3)第1シード以外のヨーロッパ

第1シードがブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの南米諸国なら、2)はアフリカ勢になる。たとえば、ブラジル、日本、ガーナ、イタリアといった組み合わせだ。まさしく”死の組”である。
第1シードがスペイン、ドイツ、ベルギー、スイスのいずれかなら、2)のポットから南米もアフリカも入ってくる可能性が生まれる。こちらの例をあげれば、スペイン、日本、チリ、ポルトガルといったぐあいだ。これまた”死の組”である。

ブラジル、イタリア、メキシコと対戦した6月のコンフェデレーションズカップを上回る組み合わせも、かなり現実的なものとして想定される。第2、第3、第4のポット分けは正式に決定していないが、日本にとって難しいグループ分けになるのは間違いない。

ファイナルドローと言えば対戦相手に注目が集中するが、実はその他にもポイントはある。

大会のスケジュールだ。どのグループを何位で勝ち抜いたかによって、決勝トーナメントの試合間隔が微妙に異なるのだ。組み合わせを迎えるにあたって抑えておきたい、ふたつ目のポイントである。

たとえば、グループA2位とグループB1位は、中5日で決勝トーナメント1回戦を迎える。両チームの勝者が進出する準々決勝も中5日だ。

その一方で、グループC1位、グループD2位、グループG1位、グループH2位の4か国は、中3日で決勝トーナメント1回戦が待ち受けている。グループG1位かグループH2位でベスト16入りすると、決勝トーナメント1回戦だけでなく準々決勝、準決勝の3試合すべてを、中3日で消化していかなければならない。

試合を重ねるごとに、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積していく。他国よりハードなスケジュールは、上位進出のハードルを高く厚くするだろう。

グループステージと決勝トーナメント1回戦は会場(都市)が変わるのか、変わるとしたら移動距離はどれぐらいなのかも、パフォーマンスに影響してくる。こちらが3つ目のポイントだ。ファイナルドローを終えた各国の首脳陣は、すぐに移動のシミュレーションに取りかかる。

来るべき抽選会では、日本がどこの国と対戦するのかはもちろん、どこのグループに入るのか、試合会場(都市)はどこなのかにも注目していただきたい。上位進出を果たすには、ピッチ外の要素を味方につける必要がある。
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