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シグナスX 3rd 試乗レビュー

型式は変わらずSE44Jなのに、走行性能や外装が大きく変更された3代目シグナスX。通称 シグナスX 3rdを試乗レビューします。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

モデルチェンジ前から噂になっていたニューシグナスX

「シグナスXがモデルチェンジするらしい。」「台湾ヤマハのホームページにはもう既に車両の写真が公開されている」「台湾での新しいシグナスXはSE465という型式。」とモデルチェンジ前から、ウェブ上で様々な噂が飛び交っていたシグナスXが正式にモデルチェンジされ、車両の販売台数も伸びているようです。このシグナスXに試乗する機会があった為、前モデルとの比較レビューを紹介します

型式は変わらずSE44J

左が古いSE44J 右が新しいSE44J

左が古いSE44J 右が新しいSE44J

オートバイの場合、同じ車両の名前でもモデルチェンジされ、エンジンが全く変わったり、外装が変わったり、大きな変更が伴う場合は、車両の型式が変更されます。シグナスXの場合でも、初期型のシグナスXがSE12Jという型式が与えられ、その後にモデルチェンジしたモデルは、SE44Jという型式が与えられました。

今回のモデルチェンジも外装がガラリと変わりましたが、なんと型式は変更されませんでした。これにはバイク業界にいる私たちも驚かされました。日本国内で新型のシグナスXが発表される前に、シグナスXを製造している台湾ヤマハがホームページ上で情報を公開し、日本よりも先に販売を開始しました。

台湾での型式はSE465。そのため、日本国内では、「SE46Jになるのではないか?」と噂されましたが、まさかのSE44Jのまま変更無しでした。ちまたでは、古いSE44Jと新しいSE44Jと呼び方の区別が出来ないので、シグナスXの三番目のモデルという意味で“3rd シグナス”と呼ばれています。

型式は変更無しも見た目はガラリと変更

LEDポジションライトとストップランプ

LEDポジションライトとストップランプ

前モデルのSE44Jも初期型のSE12Jと比べると、洗練されたシャープなデザインでしたが、3rdシグナスはより洗練されたデザインへと変更になりました。テールライトにLEDライトが装備され、車両前側のヘッドライトの脇にLEDのポジションライトが装備されました。

なお3rdシグナスには、通常のシグナスXの他にシグナスX SRというグレードが用意されました。シグナスX SRの方にはスポーティーなウェーブ形状ディスクローターが装備され、専用のロゴ入りメーターやツートンカラーのシートなどが装備されました。メーカーのホームページなどでもこういった情報は掲載されていますが、ユーザーが最も気にしているであろう、シグナスXとシグナスX SRの大きな違いは、内装の色とシートの色です。

シグナスXがシートと内装の色に濃い茶色を採用しているのに対して、シグナス X SRは黒を採用しています。洗練されたイメージがある車両ですので、この茶色は嫌だ。というユーザーが多いようです。新車の価格で5000円しか違いませんので、放熱効果の高いウェーブ形状のディスクローターが採用され、内装とシートの色が黒のシグナス X SRをお勧めします。

相変わらずのシート高、更に向上した走行性能

まず乗ってみて感じるのは、相変わらずシートが高いな。ということです。歴代のシグナスX もシートが高く、広めにできている為、股が広がってしまい、足つきが悪いのです。私のように身長が低い人間にとっては、ちょっとした足として使うには苦しいシートの高さです。

走行性能に関しては、SE44Jに比べて、加速が良くなり、最高速も少し伸びた印象です。スポーツ走行をするユーザーにも大人気のシグナスXですが、意外にもノーマルの状態だと前後のサスペンションも柔らかめにセッティングされており、加速も緩やかで、乗り心地もよく、誰が乗っても乗りやすいバイクに仕上げられています。改造のベースにするユーザーが多い為、ノーマルの状態でもスポーティーなセッティングなのでは?と思ってしまうユーザーもいるようですが、ノーマルの状態は実にジェントルな乗り心地で、多少ラフなアクセルの操作をしても、全く問題ありません。

快適な装備はそのまま引き継がれました

インナーポケットとコンビニフック

インナーポケットとコンビニフック

運転席に座り、少し下に目をやると、メインキースイッチの下には500mmのペットボトルがなんと三本も収納できるインナーポケットが装備され、コンビニフックも装着されています。リアに装着されたグラブバーにはリアキャリアを装着する為のボルト穴が開いており、容易にリアキャリアとリアボックスをつけることが可能です。

シート下のトランクの容量も、SE44Jと比べて2.5リットル増えて、31リットルとなりました。原付の雑誌などを見ると、カスタムのベースとして、大人気のシグナスXですが、ここまでお伝えしてきたとおり、純正の状態は実用的でユーザーに優しいバイクなのです。

少しだけお金をかけて改造するなら……

通勤の車両として、シグナスXを使うのであれば、リアキャリア、リアボックスの組み合わせが断然お勧めです。車両によっては、取り付けの際に加工が必要になるリアキャリアも、シグナスXの場合はボルト4本で固定することで簡単に取り付け可能です。
また、純正のシグナスXは本当にマイルドな乗り心地ですので、もう少し加速をするどくしたい!というユーザーもいらっしゃると思います。その場合は、ウエイトローラーを純正よりも少し軽いサイズに変更するといいでしょう。純正の重さが12g×6個ですが、台湾仕様は9g×6個。軽くしすぎると、逆に加速が悪くなってしまうのですが、台湾仕様の9g×6個ぐらいがちょうど良いバランスでしょう。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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