赤身肉をリーズナブルに楽しめる「つばめグリル」の新業態
老舗洋食店「つばめグリル」が母体となる肉料理レストラン「つばめや」が、2013年10月、銀座一丁目にOPENしました。2013年10月にOPENした「つばめや」
「つばめや」は、「つばめグリル」で毎月大量に牛を一頭で仕入れていることを生かしての新業態。同店で扱う肉は、ずっと日本で好まれてきた霜降り黒毛和牛とは対極にあるような脂の刺しがほとんどない赤身の肉です。でも、こちらで使用しているお肉も実は黒毛和牛なんです。ではなぜこんなにも完全な赤身肉かというと、実は”経産牛”を使用しているから。
経産牛とは、出産を経験した牛のことです。たまに肉質をウリにしているお店で”処女牛”や”未経産牛”なんて言葉を使ってアピールしているお店、皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか。経産牛は、未経産牛に比べ肉質が圧倒的に落ちるため、一般的には食用牛としては価値の下がる牛に分類されます。ですので、肉質を重要視するような焼肉店やステーキハウス、高級店等ではあまり利用されることのない牛になり、ハンバーグなどの加工品に使用されることが多い牛肉です。
私が過去に経験した12歳の経産牛は、肉質がずいぶんと硬く、噛むのも大変な肉でしたが、経産牛も肉質はピンキリで、同店で今回いただいたお肉はそんな心配を払拭し、大いに赤身肉を楽しめるものでした。むしろ最近の赤身肉志向にはとてもよくあった食材で、黒毛和牛にもまだまだ可能性があると感じさせられました。
この日は150gを6部位(ミスジ、カイノミ、ランプ、肩ロース芯、ザブトン、ショートリブ)頂き、一番脂の刺しが入っているザブトンは黒毛和牛らしい脂を感じましたが、それ以外の部位は未経産牛のA4、A5あたりの牛肉を食べなれていると、まったくこれらが黒毛和牛だとは思わないのではないでしょうか。経産牛ということもあり、お値段も100g1400円前後とリーズナブルで、お財布にも優しい設定となっています。
近年、牛肉の赤身志向がますます強くなり、日本が誇る食文化の一つである黒毛和牛の立場も変化してきて、優秀な生産者さんほど、生き抜くのが大変な時代になってきています。どんな肉質の牛肉にも適材適所、必要としている店があり、適した調理法があり、それらがピッタリとかみ合えば、食べ手が受ける印象は必ず良いものになるはずです。経産牛の肉でも、これだけ美味しく楽しめるのであれば、最近は牛肉の脂がきつくてと肉離れしつつある方でも、まだまだ美味しく黒毛和牛を楽しめると思いますので、是非一度お試し下さい。
■つばめや
・住所:東京都中央区銀座1-2-1 紺屋ビル
・TEL:03-3561-3788
・営業時間:
ランチ
月~金 11:30~15:00
土・日・祝 11:30~16:00
ディナー
月~金 17:30~23:30(L.O22:15)
土・日・祝 17:30~23:30(L.O22:15)
・地図:Yahoo!地図情報