虫歯予防にフッ素が効果があるのはなぜ?

フッ素で虫歯予防

フッ素で虫歯予防の代表的なものは、歯科医院での歯面塗布、歯磨き粉、洗口液、の3種類

フッ素は虫歯予防に使われる特別な物質というイメージも強いかもしれませんが、実は体を構成する必修微量元素の一つです。海産物やお茶などに多く含まれ 日常的に摂取しています。そのため骨などの組織に蓄積されており、成人では体内に約2.6g程度のフッ素が存在しているといわれています。

虫歯予防として使われる場合、フッ素は歯の表面のエナメル質と反応して歯を強化し、歯を酸に強い状態に変化させます。やや専門的になりますが、具体的には、エナメル質の主成分であるヒドロキシアパタイトの水酸基部分にフッ素イオンが入れ替わり、フルオロアパタイトという安定状態になります。さらに石灰化の促進や、初期虫歯などの虫歯内部に入り込んで虫歯の酸で溶けかけた部分の修復するなど、虫歯予防には嬉しい働きを積極的に行ってくれるのです。

フッ素で100%虫歯予防できる? フッ素の虫歯抑制率

しかしフッ素を利用すれば全く虫歯にならないわけではありません。

虫歯抑制率は
  • 歯科医院でのフッ素塗布……おおよそ20~50%
  • フッ素入りの歯磨き粉……15~25%程度
  • 小学校のフッ素洗口……35~50%
と考えられています。


体には無害?有害? 虫歯予防のフッ素の安全性

フッ素を飲み込んでも全てが骨などに蓄積されてしまうわけではありません。胃や腸で吸収されて24時間以内に約90%が尿から排泄されます。骨に一旦蓄積されたフッ素も溜まり続けることはなく、年齢や状況によって増減を繰り返します。胎児への影響は、胎盤がある程度のバリアとして機能します。

フッ素の急性中毒は体重1kgあたり2mgといわれています。6歳児で約40mgです。これはフッ素配合歯磨き粉40g(約1回0.4gで100回分)、フッ素洗口液・週1回用40ml(約1回 7mlで5.7回分)週5回用160ml(約1回7mLで22.9回分)にあたります。これらは全て吐き出さずに飲み込んでしまった場合です。通常フッ素は使用後は吐き出すことが前提ですので、残留フッ素量は、配合量の1割以下と考えられます。

ちなみに幼児用に販売されている虫歯予防用の低濃度フッ素スプレーは、フッ素配合歯磨き粉の10分の1の濃度ですので、体重10kgの乳幼児の急性中毒は20mg(38mlボトルで5.2本以上)となるため、スプレー1回程度では、何の心配もありません。

ちなみに過去に起こったフッ素の慢性的な中毒は、日本のある地域でフッ素が過剰に含まれた水道水を飲用した結果、歯に白や褐色のスジや、斑点が特徴の班状歯(はんじょうし)や、骨硬化症という病気につながったことがあります。※現在の日本の水道水はフッ化物濃度は0.8ppm以下と定められているため心配はありません。


歯の生え始めと6歳ごろ……
虫歯予防に効果的なフッ素塗布のタイミング

フッ素は歯が柔らかい状態の時に使用することで効果が高まります。そのため歯のはえ始めが最もフッ素の効果が出やすいといえます。さらに永久歯が生え替わってくる6歳ごろもフッ素の効果が最も期待できます。

もっともフッ素だけに頼らずに健康な歯を守ることが大切。基本的な考え方としては、子どもの口に虫歯菌を持ち込まないことと、その日のプラークを残したままにしないこと。これらはフッ素の予防効果を生かす大前提です。


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