母となって働くということ
自分としっかり向き合い、自己実現に向けて行動できる働くママの後ろ姿を見せることは、子どもの未来にとってもきっとプラスになるはず
そこで今回は、「母となって働くこと」をテーマに長年活動されてきた、マドレボニータ代表の吉岡マコさんのお話を通して、母となって働くことについて考えたいと思います。
実は吉岡さん、マドレボニータの前身である産後ケア教室を始めた1999年当時は、半年間勤めた会社を辞めてアルバイトをしながらの生活でした。会社勤めも安全とは言えないご時世ですが、ゼロから教室を運営するよりは安定しているのではないでしょうか。ましてや若くしてシングルマザーとなり、ご両親と離れて暮らす吉岡さんの境遇を考えると、ここで会社を辞めるという選択肢は無謀に思えます。一体なぜその道を選んだのでしょうか?
母となることは働く意味を再考する絶好のチャンス
当時の吉岡さんのポジションは、今でいう非正規雇用。仕事には一生懸命に取組み、いずれキャリアアップも望めたのかもしれませんが、「小さい子どもがいるから定時に帰る」という理由で当面は正社員にはなれず、時給で働く立場。定時に「すみませんお先に失礼します」と頭を下げながら急いで帰っても、保育園のお迎えはいつも一番最後。そんな生活を3カ月続けた頃には「月~金の朝から夕方まで、この仕事に拘束される生活を続ける価値はあるのだろうか?」と自問自答を始めたそうです。そんな中、自分自身が「産後の女性には絶対必要なはず!」と確信して独自に立ち上げた産後のフィットネス教室は、収入こそ不安定なものの、未来を感じることができたし、自分で考案したプログラムを産後女性にと届けて喜んでもらうという手応えを通して「社会における自分の居場所」を得た喜びがあったといいます。始めた当初はそれだけでは生活できないため、週に5日のフィットネスクラブでのアルバイトと掛け持ちでの生活でしたが、アルバイトは9時~16時のシフトで時間にも余裕があり、保育園には早めにお迎えに行ける。そして教室の収入とバイト代を合計してみたら、非正規の会社勤め時代と合計額はたいして変わらなかった。それでいて自分の自由になる時間はずっと多くとれる、ということも背中を押してくれたそうです。
吉岡さんの様に、モヤモヤ悩まず自分に最適な道を見つけるには