90年代リバイバルおしゃれは世代間で温度差
90年代リバイバル物へのまなざしは世代間ではっきりと差が出ています。これらのアイテムに関して「新しい」と答えた女性は20~24歳の場合、30.4%に達しましたが、35~39歳は16.1%にとどまり、その上の「バブルまっただ中」層の40~44歳に至っては1.8%と、10分の1程度にまで落ち込みました。バブル体験者世代はプロデューサー巻きやクラッチバッグなどにフレッシュさをほとんど感じていない雰囲気がうかがえます。逆に、「懐かしい」と答えた20~24歳は19.6%で、40~44歳の55.4%の半分以下。20~24歳は90年代アイテムを「かわいい」と見る人が37.5%もいて、10分の1以下の3.6%しかいなかった35~39歳との間で、決定的な時代感覚の違いを見せています。20年周期で繰り返す、ファッショントレンド
一般にファッションの流行は20年周期で繰り返すといわれています。ちょうど今は20年前に当たる1990年前後のファッションが復活するタイミングということになります。なぜこの「20年」という周期でブームが復活するのかというと、20年というスパンは人々の記憶が薄れて、新たなイメージをまといやすくなる長さとされているからです。実際、今の10~20歳代には前回のブームの印象は薄いと思われます。ファッションの創り手のほうも世代交代が進んで、リバイバルに抵抗感がなくなりやすいので、これぐらいの間を置いて流行が再燃するというわけです。ただし、全くの焼き直しでよみがえるわけではありません。今の時代感覚に合ったアレンジが加えられることが多く、様々な変化が生まれます。例えば、ボディコンシャスのタイトスカートもバブル当時とは違って今はスポーティやメンズテイストのアイテムと合わせる、セクシーを強調しないスタイルに変化しています。プロデューサー巻きの場合で言うと、「石田純一巻き」という別名があったことでも分かる通り、当時は男性向けでしたが、今回は女性にも支持されました。最近は腰に巻くパターンも好まれました。ヒップを隠して、袖先をウエストの正面で結び、肩掛けよりも着崩したカジュアルな雰囲気を印象づける着方です。また、片方を脇の下に通して、駅伝ランナーのたすきのように結ぶ人も現れています。
(参考記事: 腰巻きスタイル)
ファッションはこのように時を超えて新たな着こなしを生みながら、次の世代へと引き継がれていきます。一方、職人仕事のこだわり逸品は年齢層に関係なく評価され、「ヴィンテージ」として次の世代へ譲り渡されていきます。ファッションとモノ、そして歳月の関係を知ることは、さびない「私」流の装いを身につける上でも意味のあることのように思われます。
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