10万円の資金があれば買えない銘柄はない!?

「10万円で株式投資」と聞くと、実際買える銘柄はごくわずかで、物足りなさを感じるかもしれません。でも、10万円の予算があれば、買えない銘柄はほとんどないのです。もちろん、株価の変動によるドキドキ感も堪能できます。

株式の、リアルタイムの売買や指値注文は「単元株」が基本単位となります。その株数は銘柄によって異なりますが、一般には100株ないし1000株。それでも株価が低位の銘柄の場合、10万円以下でも買えるものも少なくなく、三菱UFJフィナンシャル・グループやパナソニック、日産自動車など、日本を代表する企業もそのような銘柄なのです(表6参照)。

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もちろん、単元株が10万円を超える銘柄の方が、圧倒的に多いのは確か。そして、単元株だと高額な資金が必要のものもあり、たとえば、住友不動産の単元株数は1000株ですから、1株4835円(10月23日終値)とすると最低購入金額は483万5000円。軽自動車なら、新車で3~4台まとめ買いできるほどの金額です。

しかし、そのような銘柄でも、1株からの売買を取り扱う「プチ株」「S株」「まめ株」といった商品(証券会社によって名称が異なる)であれば購入は可能。単元株との売買の違いは、成行注文のみで、注文の受付や約定がリアルタイムではない(例/午後の注文なら翌営業日の寄り付きで約定)という点です。デイトレードのような短期売買には不向きですが、運用スタンスが中長期であれば利用していい商品と言えるでしょう。

大きく減らさないことを第一に考えよう

10万円でも株式投資は十分できることはわかりましたが、問題は銘柄選びです。誰もが「上がる銘柄」を買いたいわけですが、それがわかるには豊富な知識や経験が必要になります。したがって、ビギナーであれば「この10万円で勉強してみる」といったとらえ方でもいいかもしれません。

ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんは、次のようにアドバイスします。
「まずは大きく減らさないこと。株に限らず、運用のもっとも大事な点はそこです。たとえば、リーマンショックのような世界的クラッシュが起きれば、銘柄に関係なくすべてが大きく値を下げ、元に戻すのはとても大変なのです。ですから、機を見て事前にマーケットから手を引く(売却する)ことが重要。そのためにも絶えず、市場や経済の動きをウォッチしておくことが必要でしょう」

また、銘柄選びが難しいなら、ETFという選択肢もあります。ETFは、特定の株式指数や商品価格などに連動する投資信託の一種ですが、株式市場に上場し、株式のように取引ができるという特徴を持っています。日経平均やTOPIX、マザーズなどの指数に連動するものや、建設や食品、不動産など業種別指数、さらには海外の株式指数に連動する外国ETFもあります。プチ株でも買えない高額な銘柄も、それを含むETFなら買うことも可能。また最近では、指数の動きに2倍のレバレッジをかけたものが人気となっています。ETFの中身はインデックス型の投資信託とほぼ同じですが、コストが投信信託より安いという点も魅力でしょう。

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教えてくれたのは……
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八ツ井慶子さん

ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。著書に『お金の不安に答える本』、『家計改善バイブル』、テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める

取材・文/清水京武  イラスト/モリナガ・ヨウ パネルデザイン/引間良基


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