睡眠不足だけでなく、不規則な就寝時間も問題に
子どもの安定した情緒には、良質の睡眠が欠かせない
最近、イギリスで発表された研究結果が、子どもの睡眠が乱れると、どのような現象が出てくるのか、というデータを発表しました。この記事では、その研究をベースに、子どもの睡眠がいかに大切かをお伝えしていきます。
イギリスの大規模調査で判明したこと
この研究は、イギリスで2001年~2002年に生まれた1万人以上の子ども達を7年間に渡り、追跡調査したもの。大規模な調査ゆえに、得られたデータも信憑性の高いものといえます。この調査では、その子が、3歳、5歳、7歳のときに、母親に次の2点について、アンケートを行いました。
- 平日の夜の就寝時間は規則的かどうか?
- 何時に就寝しているか?
- 普段の素行、行動について
- 友達との関係について
- 感情的な側面について
- ハイパーアクティブ度について(落ち着きのなさ、多動性など)
- 7歳の時点で、毎晩、決まった時間に寝ていなかった子どもは、全体の9%だった
- その子ども達は、規則的に寝ている子に比べ、落ち着きがなく多動性があり、友達との不和、情緒不安定を示した
- 子どもの素行面の悪化に最も大きな影響を与えていた要因は、「不規則な就寝時間」であった
- 就寝時間が遅くなるにつれ、その子の素行レベルは悪化する傾向にあった
- それらの子ども達も、睡眠時間を規則的にすることで、行動面が著しく改善された
大人も、睡眠が不足すると、イライラしたり、キレやすくなったり、いつもならイヤだと思わないこともイヤだと思えてきたりするもの。子どもも同じで、それが、多動性や情緒不安定という形で出てきてしまうのです。
>>次ページで、この研究結果をさらに掘り下げていきます。
*出典: 学術誌 PEDIATRICS 「Changes in Bedtime Schedules and Behavioral Difficulties in 7 Year Old Children」より