ロック・ポップス/国内ロック・ポップス、80年代の名盤の口コミ

これぞユニコーン!セカンドアルバム「PANIC ATTACK」

当時のバンドサウンド路線を踏襲しつつ、歌詞やメロディ、そしてPVに、ユニコーンらしさが垣間見えるセカンドアルバム。ユニコーンのアルバムの中では、キャッチーな名曲が並ぶ。全11曲の中にいわゆる捨て曲はない。楽曲の順番も含めて、ユニコーンのアルバムである。

田辺 紫

執筆者:田辺 紫

横浜ガイド

キャッチーな名曲が並ぶ全11曲のアルバム

■アルバム名
PANIC ATTACK (パニック・アタック)

■バンド名
ユニコーン(川西幸一、奥田民生、手島いさむ、EBI、阿部義晴)

■発売日

1988年7月21日

■販売メーカー
CBSソニー

■おすすめポイント
1987年にアルバム『BOOM』でメジャーデビューしたユニコーン。その翌年の1988年、セカンドアルバム『PANIC ATTACK』を発表する。当時のバンドサウンド路線を踏襲しつつ、歌詞やメロディ、そしてPVに、ユニコーンらしさが垣間見える、夜明け前のアルバムだ。ユニコーンのアルバムの中では、キャッチーな名曲が並ぶ。

このアルバムから、サポートメンバーだった阿部義晴(Key)が正式メンバーとなったことで、サウンドの幅が広がった。阿部の楽曲は、次作1989年発売の『服部』まで待つこととなるが、今作では色鮮やかなアレンジにおいて、そのセンスを存分に発揮している。

全11曲、いわゆる“捨て”曲はない。1曲目『I'M A LOSER』のタミオの高音が光るアカペラからはじまり、『SUGAR BOY』で盛り上がり、『FINALLY』でしっとりして、『ペケペケ』でEBIとタミオのツインボーカルを堪能し、ラスト『ツイストで目を覚ませ』でまったり締めくくる。曲順をシャッフルするなんてありえない。楽曲の順番も含めて、ユニコーンのアルバムなのだ。

さて、ユニコーンはサードアルバム『服部』でブレイクを果たすわけだが、そのせいで「服部以前」「服部以降」と分けて語られることが多い。が、セカンドアルバムから、バンドブームに流されない、方向転換の兆しが見えていたのである。

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