彼らがこれまで設計してきた6つの建築を展示して、周囲の自然をシャットアウトして人工的な環境をコントロールしようとする「閉鎖系」の建築から、自然循環系に接続して自然の豊かさを享受する「開放系」の建築への脱却を提案しています。
会期:2013年9月27日(金)~11月4日(月・祝)
開廊:10:00~18:00 土日祝:13:00~18:00 入場無料
会場:プリズミックギャラリー
住所:東京都港区南青山4-1-9 秋元南青山ビル1階
アクセス:東京メトロ銀座線「外苑前」駅より徒歩5分
お問い合わせ:プリズミックギャラリー
Tel.03-5770-4751 E-mail: amg@prismic.co.jp
会場のドアを開けると、壁面にSUEP.(スープ)のポートレイトと、これまでに彼らの設計した建築の竣工写真が出迎えます。その壁面の裏側には、空撮からミクロまで徐々に拡大されていく3つの住宅(「Kokage」「葉陰の段床」「地中の棲処」)の解説図と、それと同じように自然界の
1. SUEP.の末光陽子さんと末光弘和さん。
2, 3. 会場には6つの住宅作品と音楽ホールの模型が並ぶ。
4. 空撮から分子レベルまで拡大する3つの住宅とそのコンセプト。
メインのスペースには一風変わった6つの住宅の模型が置かれています。
地下水を循環させるパイプを組み込んだ10本の樹木状のユニットにより屋根を支えた「Kokage」は、壁を冷やして「木陰」の快適さを実現した住宅です。
350坪の広大な敷地に建つ平屋の住宅「二重屋根の家」は、杉の間伐材による40mの大スパンの「簾(すだれ)」を架けて、その下の住まいを涼しい場にしています。
住宅密集地に建つ「光壷の家」は、太陽からの集熱と採光のために7つのトップライトのある壷状の空間が、パズルの様に組合わさった住宅です。
大地を蓄熱体とする「Kubomi」は、熱容量の大きい地面に蓄熱して、「窪み」状の半地下を暖め、冬場の安定した熱環境を作り出しています。
ルーバーで覆われた半屋外の空間のある「葉陰の段床」は、水をミスト状に散水するセラミックパネルのルーバーが、自然冷房効果をもたらしています。
「地中の棲処」は、傾斜状の住宅地の地下3mに接した洞窟のような半地下状の空間が、そのまま居室となっている住宅です。躯体の温度を調整することのみで良好な室内環境を実現しています。
いずれも風・水・熱など、目に見えない自然環境を目に見えるようにしながら、自然循環系と建築の関係を表現し、環境の時代の新しい建築のあり方を示唆した展示となっています。
1. 躯体表面に地下水を循環させる「Kokage」。
2. 巨大な簾をかけた「二重屋根の家」。
3. 7つの壷の集合体「光壷の家」。
4. 大地を蓄熱体とした「Kubomi」。
5. パネルによる風の流れを表現した「葉陰の段床」。
6. 地中熱の分布と空気の流れを表現した「地中の棲処」。