ソフトバンクの取締役会の構成を分析
ソフトバンクの時価総額が増加していることについて、「孫社長のリーダーシップ」「CMが良くできていた」「低価格戦略が功を奏した」「iPhoneを発売できたからだ」などなど、いろいろな見方があると思います。でも、孫社長が優れたリーダーシップを発揮できた理由は何か? 独創的なCMや低価格戦略、iPhoneの取り扱いなどが可能になった理由は何か?
その理由のひとつが、ソフトバンクの取締役会の構成にあると見ています。
取締役は、株主総会において選任されますが、誰を取締役に選任するかの議案は会社が作ります。つまり、社長の意向が色濃く反映されます。ソフトバンクの取締役にはどのような人がいるのでしょうか。
1. 孫正義さん
創業社長です。
2. 宮内謙さん
1984年に入社しているプロパー社員といえます。
3. 笠井和彦さん
富士銀行の副頭取を務めた人です。
4. ロナルド・フィッシャーさん
米 フェニックス テクノロジーズのCEOを務めた人です。
5. ユン・マーさん
アリババ・グループの創業者であり、会長です。
6. 宮坂学さん
ヤフーの現社長です。
7. 柳井正さん
ファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長です。
8. マーク・シュワルツさん
ゴールドマン・サックス・グループの副会長です。
このようにして見ると、社外で様々な経験をしてきた人、また現に社外で重責を担っている人が多いことがわかります。錚々(そうそう)たるメンバーですね。取締役会においては多様な角度からの意見が出ていることでしょう。
ただし、心配な点もあります。孫社長の後任になるとおぼしき人が見当たらないという点です。まだ孫社長は56歳と若いのですが、いつかは引退するはずですから。
ドコモの取締役会の構成はどうなっているでしょうか。次ページで分析します。