ストリートキッズのボスと日本人の切ないラストとは……
■作品名BANANA FISH (バナナフィッシュ)
■作者名
吉田秋生
■巻数
コミックス全19巻、文庫版全12巻(内番外編1巻)
■おすすめの理由
ニューヨークのストリートキッズのボスであるアメリカ人の男の子「アッシュ」と、取材のアシスタントとしてそこに訪れた日本人の男の子「英二」との物語。
アッシュは華奢で美しい顔立ちをしていながら、荒くれ者のストリートキッズをまとめるボスの役目をしている。なぜならアッシュは、見かけによらずタフな人物で、ナイフや銃を使ったケンカは神がかり的に強く、またIQ200という恐ろしい頭脳も持ち合わせているからだ。
そんなにケンカが強いのには理由があり、その過去を紐解いていこうとすると、知ってはいけないような過去にもぶつかる。いつしかアッシュと英二のふたりは国家の機密に関わるような大事件に巻き込まれていくのだが、必至に自分を見失わないように、そしてお互いを大切に思い合い、試練を乗り越え事件を解決するように立ち向かう。そうするうちにてふたりの間には、愛情をも超えるような友情が芽生えるのだが。
あまりに切ないラストに涙なしでは読めない物語。でもただの友情物語に終わらず、推理小説のような側面も持っていて飽きさせないのが素晴らしい。