持病を持つ天才と革命家でもある天才の運命は?
■作品名変奏曲シリーズ
- ヴィレンツ物語(『花とゆめ』1974年9月号)
- 変奏曲 エドアルド・ソルティーを記述する試み
(『別冊少女コミック』1976年3 - 5月号) - アンダルシア恋歌(マドリガル)(『月刊プリンセス』1976年8・9月号)
- 皇帝円舞曲(『週刊少女コミック』1977年8・9号)
- カノン(『グレープフルーツ』1982年7・8号、1985年20・24号)
竹宮恵子
■おすすめ理由
クラッシックの世界、ヨーロッパ。
一連のシリーズは、エドナンが主人公であったり、ウォルフが主人公であったり、
アネットが主人公だったり、エドナンの息子ニーノ、それぞれの視点で物語は作られる。
■あらすじ
天才ヴォルフガング・リヒター(ウォルフ)は、
もう一人の天才エドアルド・ソルティ(エドナン)に出会う。
音楽を通じて惹かれあうエドナンとウォルフ。
天才と天才、2人の天才により素晴らしい音楽が生まれる。
その世界に狂喜するウィーンクラッシック界の人々。
クラッシック界の天才ピアニストのウォルフは申し分のないマナーと才能をもった人、
だが、持病がありいつ死ぬともしれない体だけに、行動を制約されて、管理されていた。
妹のアネットを溺愛している。
アネットはスペインの貧しい家で育つ。
両親が亡くなり、里子としていろんな家を転々として貧しい生活していたが、
ウォルフが探しだし迎えに来て、ウィーンで一緒に暮らすようになる。
二人の音楽家の理解者であり、援助者でもある評論家のボブ。
貴族の息子としては外れもののエドナンは、幼い頃ウォルフの演奏を聴いて立てないほどの衝撃を受け、彼のような音楽家になるため、オーストリアのヴィレンツ音楽院へ留学。
ウォルフのお坊ちゃま的な行動に反発しながらも、強烈に彼に惹かれていく。
しかしエドナンは革命家でもあり、反政府運動していて殺害されかけるが、
国を愛する気持ちは強く革命の闘士として、音楽を捨てスペインへ帰っていく。
ウォルフの理解者ローラ、エドナンの恋人アネット(ウォルフの妹)
さまざまな人々の愛と音楽。
音楽というものを通じた、それぞれの生き方。
やがてウォルフは、突然の死を迎える。
すべてに亘って、素晴らしい作品です。
ちょっと主人公(エドナン)がエキセントリックだったりしますが、
アネットと出会う、やがて恋するあたりは普通でいいです。
正統派音楽漫画