大人でも楽しめる!SF短編の名手が描くネコマンガ
■作品名Neko2(ネコネコ)
■作者名
岡崎二郎
■巻数
全2巻
■おすすめの理由
1996年から99年までビッグコミック増刊号に掲載されていたマンガです。
『アフター0』などのSF短編マンガで有名な岡崎さんですが、この作品はネコ語を操る少女、
亜紀ちゃんと町の猫たちが町のちょっとした事件を解決する内容。ネコをはじめ、
カラスや犬などの動物の習性も窺い知れるので、ちょっとした学習漫画のようでもあります。
だからといって、大人の鑑賞に堪えないとか、子どもっぽいとかいうわけでは全くないです!
確かに岡崎二郎さんの画風は、藤子・F・不二雄さん的な一見子ども向けの可愛いらしいイメージ。しかし油断していると強烈なパンチをくらいます。この漫画でいうなら、ネコたちのかわいい姿の影に描かれる、捨て猫問題、キャット・アーティストと金儲け、希少動物密輸入など、
「人間のエゴ」が辛辣に描かれます。ただのかわいいネコマンガに終わらないところがビッグコミックに連載される所以でしょうか。
でもどんな暗い事件も、亜紀ちゃんとノラネコ達の活躍で無事解決、ハッピーエンドとなるので読んでいてスッキリ。そのへんのバランス感覚は絶妙なので、大人でも小学生でも楽しめる作品になっています。イヌ派でもネコ派でもなくウサギ派な私ですが、この漫画を読んで「ネコって意外とかわいいかも!」と思えました。ネコ好きの人でも、ネコ好きじゃない人でもどうぞ。