仁は江戸から現代に戻ることは出来るのか?
■作品名JIN-仁- (2000~2010)
■作者名
村上ともか
■おすすめの理由
「JIN-仁-」は、スーパージャンプに2000~2010年に掲載されていた漫画で、
ドラマも大ヒットしたのでご存知の方は多いと思います。
2011年に第15回・手塚治虫文化マンガ大賞を受賞しました。
■あらすじ
物語は、現代の日本と幕末の日本の両方が舞台です。
ある夜、東都大学付属病院の脳外科であった南方仁は、
急患で運ばれて来た男性の脳から不思議な奇形種を摘出するが、その後患者が脱走。
追いかけて階段から足を踏み外し、気を失った仁が目が覚めた場所は、
なんと幕末の江戸だった……。
医療物、歴史物、SF的要素が絡み合ったストーリーで、仁が現代から江戸にタイムスリップしたことに戸惑いながらも、医師としての使命感から江戸に生きる人々の怪我や病を治療するのですが、同時に歴史を変化させてしまうことにも悩みます。
坂本龍馬、吉原きっての花魁の野風、侍である兄の危機を救ってくれた仁に惹かれ、なにかと手伝ううちに医学に興味を持ち、自ら看護師を志願する橘咲など、それぞれの人生が仁と関わったことでどんどん変化していくのも見どころです。
緒方洪庵や伊東玄朴、楠本いねなど、実在の医師達もたくさん登場し、最先端の医療を知っている仁の活躍ぶりに、人によっては驚き、恐れ、ねたみ、憧れ……など様々な感情を持ちながらも影響されていく過程も、タイムスリップという前提ならではの面白さです。
もし、あの時にあの人の命が助かっていたら、今のこの日本はどう変わっていったのだろう……
そんな想像をふくらませながら、ワクワク読み進むことのできる漫画です。