最大の禁忌を行った兄弟が身体を取り戻すために旅に出る
■作品名鋼の錬金術師
■作者
荒川弘
■巻数
全27巻
■おすすめ理由
2001年から『月刊少年ガンガン』で連載された全27巻のファンタジー漫画です。
19世紀ヨーロッパをイメージした世界で、「錬金術」を使う主人公たちの物語です。
錬金術は、「等価交換」の法則に則って行われる一種の魔法で、法則に則ればどんなものも錬成が可能になります。
■あらすじ
主人公の兄・エドワード、弟・アルフォンスは幼いときに母親を亡くし、
二人で母親の命を錬成しようとします。
しかし、「命」の錬成は最大の禁忌であるために、
二人はそれぞれ兄は左足を、弟は身体全てを失ってしまいます。
弟は、兄が右腕を犠牲にすることによって鎧に魂を定着させられ、
兄の腕と足は特別な鋼でできた機械鎧(オートメイル)を装着することになります。
このことが、タイトルの「鋼の錬金術師」とエドワードが呼ばれる所以となります。
そして二人は失った身体を取り戻すために、「賢者の石」を探す旅に出ます。
底流には人間とは何か、命とは何かという問いかけがあり、
重厚感のある雰囲気が読者を緊張させます。
特に、敵として現れる人造人間(ホムンクルス)たちは人間の「七つの大罪」を模されて作られているのですが、彼らも単なる悪とは思えません。
戦いの中で、主人公たちが近づいていく「真理」に、
少し物悲しいながらも希望の持てる未来を垣間見ました。
アニメ化、映画化などもされていますが、それぞれ完結前に作成されたため、
設定が少し異なっていたり、オリジナルのストーリーが展開されています。