築33年の複合用途施設が、
新たな都市生活の場として再生
生まれ変わった建物は、1階がフロント及びホテルレストラン、2~6階がホテル客室、7~10階がレジデンス、11~14階がスタジオサービスアパートメントとなっています。「ホテルに暮らす」 「ホテルでオフィス」 「ホテルでスタジオ」という発想で、それぞれのフロアがつくられているのが特徴です。ホテルレストラン「ココノマ」のほか、テナントは鉄板焼き「獅子丸」、カフェ&パブ「Virgin café & Pub House」、寿司店「細小魚」、オーガニックグリル「PLATE」。西麻布と六本木の中間地帯「ニシロク」を訪れるハイセンスな客層を意識したラインナップとなっています。
建築家が女性のために作った、小さなおウチのような客室
「フォーキューブ」
ホテルの客室は全47室。「空中庭園」 「禅」 「漣」 「凛」など、11タイプの客室がそろっています。どれも非常に癖のある、独創的なお部屋ばかりです。そこで今回は2タイプをご紹介します。実際に筆者がホテルのインスペクターの視点で捉えたポイントとは。
防犯を意識したカードキーのドアを開けると、木目のパーテーションが目に映ります。このパーテーションがリビングとデスクの境界線。リビングには女性を意識した丸いテーブルに、アクセントカラーに緑を使用したイス。まずお部屋に入ってイスに腰をかけて一呼吸。そのような光景が目に浮かびます。デスクは気持ちがリフレッシュできるようにと、木のぬくもりが感じられる木目調を採用。デスクの広さもお化粧道具を広げる女性には嬉しいですね。ちなみに冷蔵庫以外にも、デスクの右手にはミニキッチンと電子レンジが付いているのもポイントです。
ベッドに行くには足下に注意が必要です。ほかのホテルにはない、ちょっとした段差があります。しかし、この段差がまたポイント。リビングから靴を脱いでベッドに入るというシーンを演出します。靴を脱ぐことで気持ちが落ち着く方も多いのではないでしょうか。近年はレディースフロアの誕生で、このお部屋と同じように女性を意識して小上がりタイプのベッドを採用するホテルが増えています。ホワイトを基調とした清潔感あふれるバスルームには、レインシャワーとオーガニック・ソープセットを完備。心身ともにキレイになるためのアメニティも充実しています。
「箸で食べるワインダイニング」
さて、次はパブリックスペースの紹介を。「箸で食べるワインダイニング」をコンセプトにつくられた、ディナーや朝食会場となるシーズンダイニング「ココノマ」。イタリアンをベースに和のテイストを加えた、シェフ自慢の料理の数々。フードとワインの素敵なマリアージュの世界を味わうことができます。
可能な限り、ゲストに「NO」と言わないサービス
このように可能な限りゲストに「NO」と言わないサービスを、このホテルでは実践しています。もちろん中にはできないこともあります。そのときはスタッフがセカンドベストとなる提案を行ないます。スタッフ、シェフともに、ほかのホテルにはないホスピタリティーとアドリブの聞いたコミュニケーションが図れるのが魅力。久々にスタッフの対応力、シェフの技量ともに満点をつけたいと思うほどでした。
大人のアジトとも言える隠し部屋