家の玄関や庭など、空間の雰囲気を少し変えてみたいときはありませんか。気に入った彫刻や立体作品を置くだけで、日々の生活にゆとりが生まれることでしょう。今回は
GALLERYエクリュの森のオーナー・田村燿子さんと彫刻・立体のアーティストの方たちに、彫刻や立体作品の飾り方とメンテナンス方法を伺います。
※今回ご紹介する例は、あくまで一例です。
※キャプションの表記は(素材/作家名)です。
梱包のとき方
彫刻や立体作品は、素材によって、あるいは、アーティストによって、梱包のやり方が異なります。
段ボールを開けると木箱が登場(杉山功作品)
アーティストの杉山功さんの作品は、木と石を組み合わせてつくられています。木は柔らかくて軽く、石は硬くて重い素材です。アート作品は美術専門の運搬業や便があるほど、普通の荷物に比べて丁寧に運ぶ必要があります。杉山さんのような異なる素材でつくられた作品を運ぶときには、折れたり、曲がったり、箱に穴が開いたり、といったトラブルがないように、しっかりと梱包がされています。
木箱のふたを開けると発泡スチロールの箱が(杉山功作品)
まず段ボールを開けると、木でつくられた箱が出て来ます。杉山さんの名前と「FRAGILE」の文字がプリントされたこの箱は、杉山さんの作品である証明でもあります。このふたを開けると、発泡スチロールの箱が出て来ます。衝撃を和らげるクッションとして、発泡スチロールがつかわれているのです。この発泡スチロールの中ぶたを取ると、作品がぴったりと収まっています。
作品の形やサイズに合わせた梱包がされている(杉山功作品)
作品やアーティストによって、箱の素材や形状も異なります。作品全体や壊れやすい部分に布が巻かれている場合もあります。いずれの場合も、すべて梱包に使われていたものは、捨てないで取っておきましょう。
彫刻・立体作品の楽しみ方
室内に置いた場合(FRP/いしばしめぐみ)
壁にしか置くことができない平面作品(キャンバスや紙に表現されたもの)に比べて、彫刻・立体作品は、玄関に置いたり、壁や天井から吊ったり、庭に置いたりと、置く場所も問わず、空間を引き立たせてくれます。
しかし彫刻・立体作品は、重かったり大きかったりするので、一度買ったらなかなかしまうことができにくいもの。特に金属や木でつくられたものは、時間が経つと色が変わったり、サビや黒ズミが出てきます。
こうした状況下で、買ったままの状態をキープしたいのか、作品の変化を味わい深さととらえるのか、と楽しみ方もいろいろ。それによりメンテナンスも変わって来ます。
台座がある作品(石/明田一久)
また、彫刻・立体作品は、「台座(だいざ)」と呼ばれる、作品を載せる台のようなものがセットになっている場合もあります。
台座は、作品の重さを分散させて、作品を置く場所(机や棚など)がへこむことを防ぎます。台座に載せることで、アーティストが鑑賞者に見て欲しい目線に合わせたり、作品の存在感を増す効果もあります。