韓国の放送局は大まかにわけて、地上波、ケーブルテレビ、総合編成チャンネル局(大手新聞社が2011年12月に新設したチャンネル)があります。その中で、ケーブルテレビのドラマは、地上波よりも規制が少ない分、自由な作品が制作できるのが特徴。放送時間枠も地上波が1話当たり1時間10分程度なのに対して、ケーブルテレビは45分程度なので、さらっと楽しめるのもおススメのポイントです。

史実とタイムスリップを巧みに融合させた
『イニョン王妃の男』

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時空を超えた愛を描く、ファンタジー時代劇

朝鮮時代の学者が現代にタイムスリップし、無名女優と恋に落ちるというファンタジーラブコメ。背景となるのは、第19代朝鮮王粛宗(スクチョン)の時代で、人気時代劇『トンイ』と同じですから、視聴者の方ならば、どんな時代だったかはわかるかと思いますが、わからない方のためにざっと説明を。

粛宗の時代は、イニョン王妃を中心とする西人と、張禧嬪(チャンヒビン)を中心とした南人との党派争いが激しく、張禧嬪の策略によってイニョン王妃は一度、廃位させられますが、のちに復位し、逆に粛宗の信頼を失った張禧嬪は賜薬によって処刑されたといいます。

そこまでは史実で、この主人公の学者キム・ブンドは、王に寵愛されていた西人という設定の架空の人物です。プンドはイニョン王妃の暗殺計画を阻止しようとする中で危機に遭い、不思議なお札の効果で現代にタイムスリップし、そこで、ドラマ時代劇『新張禧嬪』でイニョン王妃役に抜擢された無名の女優ヒジンと出会うというところから物語が始まります。

朝鮮時代から現代へのタイムスリップラブコメと言えば『屋根部屋のプリンス』も人気ですが、そちらは時代背景が架空であるのに対し、『イニョン王妃の男』は、明確な時代背景があるので、時代劇ファンにも興味深い作品。そしてプンドが、現代にずっと留まるのではなく、お札の効果で過去と現代を行ったり来たりしながら、現代にいるヒロインの手助けを借りつつ、イニョン王妃の危機を何度も救うという展開も新鮮です。さらには『屋根部屋のプリンス』では、王子が現代の文化に戸惑う様子がコミカルに描かれましたが、『イニョン王妃の男』のプンドは天才学者の設定ですから、現代文明にすぐに適応するばかりか、それを活用して過去に戻った時に役立てるという、スマートなデキル男として描かれているのも面白く、2作品を比較して見るのも楽しいです。

プンド役のチ・ヒョヌは、目が細くて、最初はさほどイケメンには見えないのですが、ドラマを見るうちにカッコ良く見えてくることうけあい。ヒジン役のユ・インナも、素直でちょっとドジなキャラクターがピタリとはまり、とってもキュート。2人のラブシーンが微笑ましくて、何度も繰り返し見たくなります。なんと、チ・ヒョヌとユ・インナは、本作の共演がきっかけで交際をスタート。チ・ヒョヌは現在、兵役中なので、今後の2人の恋の行方にも注目が集まっています。