微妙な資金の絶妙な預け先「超短期預金」
定期預金は、満期日まで原則解約はできないか、あるいは中途解約できても金利はグーンと下がってしまいます。それだけに、住宅資金や教育資金など、使う目的と時期が明確な資金を預けるというのが、効率的な利用法と言えるでしょう。ところが、世の中、そんな資金ばかりとは限りません。もしかしたらこの夏、エアコン買い替えるかもとか、日程が合えば来月あたり海外旅行に行くかも、といった「微妙な予定」がある人も少ないはず。
そんなお金の預け先としておススメしたいのが「超短期預金」です。その名のとおり、預け入れ期間がきわめて短い商品で、現在、新生銀行の「2週間満期預金」とオリックス銀行「eダイレクト2週間定期預金」、東京スター銀行の「スターワン1週間預金」の3つがあります。
この超短期預金の主なメリットは2点。ひとつは、金利が比較的高いこと。現在、金利は0.03%~0.05%。メガバンクのスーパー定期の1年ものが0.01%ですから、それだけで金利が有利であることがわかります。
もうひとつは、流動性です。先に述べた「使うか使わないか微妙」な資金は、普通預金に預けがち。しかし、どうせ預けるならより金利の高い商品に預けたい。しかも、満期が1週間または2週間であれば、数日待てば引き出せます。つまり、普通預金に近い感覚の定期預金というわけです。
いち早く金利上場の恩恵を受けられるかも
また、隠れたメリットもあります。それは、預入期間が短いため、金利も短期間で変動しやすいということです。もちろん、市場金利の動きを、これら超短期預金がどれだけ反映するかは未知数ですが、少なくとも、1年ものや3年ものの定期預金よりも金利を見直す機会は必然的に増えます。金利上昇時には、より効率的にその恩恵を受ける可能性があるでしょう。加えて、東京スター銀行の「スターワン1週間預金」は預け入れ期間が1週間と短く、また預入額が10万円からと手軽なため、たとえば手元の資金に50万円あれば、月曜から金曜日まで10万円ずつ分けて預ければ、平日は毎日満期が発生しますから、流動性は限りなく普通預金に近づきます。
ただし、超短期預金は自動継続を選ぶことで、「元本+利息部分」に新たな利息が付きますが、これにより短期間で福利効果は期待するには少し無理があります。たとえば、100万円を新生銀行の「2週間満期預金」に預けた場合、2週間後の満期時受取利息は税引後で約10円。すると次の週には100万10円に利息が付きますが、計算すると利息は同じく10円となります。そして1年後も変わらず新たな利息は10円なのです。数週間で福利的効果を実感するには利息が100倍近くまで跳ね上がるか、億単位で預金する必要があります。