マレーシア/クアラルンプールの観光

マレーシアの歴史を語る ムルデカ・スクエア/KL

1957年、イギリス統治下から独立を宣言した歴史的な場所、ムルデカ・スクエア(ムルデカ広場)。マレーシア国旗がたなびく開放的な広場で、周辺には植民地時代を物語る西洋風の建造物が佇んでいます。

古川 音

執筆者:古川 音

マレーシアガイド

毎年盛大な式典が開催される
「ムルデカ・スクエア」

ムルデカ広場

高さ100メートルの掲揚塔にたなびくマレーシア国旗

ムルデカイベント

ムルデカを祝うマレーシア人たち

「ムルデカ」とは、マレー語で「独立」を意味する言葉。1957年8月31日、ボリネオエリアをのぞくマレー半島エリアが、イギリスの統治下から独立。毎年8月31日には、独立を記念して、盛大な式典が行われています。ちょうどこの時期にクアラルンプールに滞在する方は、前日の夜のツインタワーの花火とともに、ムルデカ・スクエアにも足をのばしてみて下さい。

 

美しい建造物に見惚れる
「スルタン・アブドゥル・サマド・ビル」

スルタン・アブドゥル・サマド・ビル

スルタン・アブドゥル・サマド・ビルは、数年前までは最高裁判所として活躍。現在は文化省管轄に

夜のライトアップ

週末のライトアップは煌びやか。黄、紫、青、オレンジ、赤の5色に彩られる

ムルデカ・スクエアの目の前にあるのが、旧最高裁判所の「スルタン・アブドゥル・サマド・ビル」。現在は政府機関管轄のビルになっています。マレーシアの植民地時代を象徴するレンガ造りの建物で、ビクトリア様式、イスラム・ムーア様式、ムガール様式を見事に融合させた瀟洒なデザイン。100メートル以上はあろうかと思われる横に長い建造物です。中に入ることができませんが、その迫力と建造美に圧倒されます。この建物、週末やイベント時の夜は、ライトアップされることでも有名。その幻想的な姿は、まるで過去から甦った王宮のよう。ただ、この辺りは人気のない場所なので、夜に歩くのはおすすめしません。タクシーで立ち寄ってもらうといいでしょう。

お土産が購入できる
「KL city Centre」

KLシティセンター

新しい観光名所。近くに「I・LOVE・KL」の像があり、写真スポットになっている

アーチアイテム

アーチの小物は、ベニヤ板ぐらいの薄い木で作った小物

マレーシアのお土産として人気の高い、木製工芸品を扱う「アーチ」ブランド。ムルデカ広場の近くにある「クアラルンプール・シティ・ギャラリー」はアーチが運営するギャラリーで、アーチのアイテムが購入可能です。アーチ製品に細工をする職人の技を見ることもできます。ツインタワー、マレー凧、マレー伝統衣装など、マレーシアならではのモチーフを精巧に表現しているのが特徴。それらのモチーフがブックマーク、壁飾り、ペンダントトップ等になっているので、日常に使えて、お土産にも重宝します。

<DATA>
Kuala Lumpur City Gallery(クアラルンプール シティギャラリー)
住所:No. 27, Jalan Raja, Dataran Merdeka, 50050 Kuala Lumpur
Tel:+60-3-2698-3333
営業時間:8:00~18:00、無休
アクセス:LRTマスジットジャメ駅より徒歩10分
※KLCCにもショップ有

その他のムルデカ・スクエア周辺の見どころ

「セント・マリー聖堂」、「ロイヤル・セランゴール・クラブハウス」は、今から100年以上前のイギリス統治時代に建てられたもので、今もなお、その当時のしきたりを受け継いでいます。たとえば、「ロイヤル・セランゴール・クラブハウス」は会員制で、一般人は敷地内に入ることもできません。今あるかどうかは不明ですが、数年前までは女性立ち入り不可のバーもありました。実は以前、水を買おうと敷地に入ろうとしたら、「ストップ!」とスタッフに止められ、たまたま通りかかった会員の紳士が「僕の友達にしておくからどうぞ」と助け船を出してくれて中に入ったことがあります。この時、喉がとても渇いていて熱射病寸前。水を探して必死だったので、この紳士には今でも感謝しています。クラブハウスの中では、ムルデカ広場の青い芝が目の前に広がり、心地よい風が吹いていました。

また、マレーシア全土の民族衣装を展示している「国立織物博物館」、マレーシア初代首相の貴重な資料が展示された「クアラルンプール記念図書館」も近くにあります。どちらも、建物そのものも見どころなので、外からじっくり眺めることもお忘れないよう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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