もっと沖縄旅が楽しくなる! しまくとぅば入門
うちなーぐちでヤギのことはひーじゃー。可愛らしいけれど、基本イザという時の食用です
沖縄を旅していると、その景色や食べ物、匂い、文化、風習……etc。初めての出会いに驚ろかされることもしばしば。そんな沖縄の魅力にはまって、沖縄旅のリピーターとなっている人も少なくないはず。「しまくとぅば」とは、島の言葉の意味で、つまり沖縄の方言のこと。たくさんの島々によって成り立つ沖縄は、今でこそ“沖縄”というひとつの県として一括りにされていますが、那覇のある本島と、宮古島、そして八重山の島々では文化が異なり、当然、言葉も島によって違ったものになっています。それぞれの島には島の言葉がある、ということから沖縄では方言のことをしまくとぅばと呼んでいます。沖縄言葉の総称としてはうちなーぐちもよく使われますね。
今回は、沖縄の旅をもっと楽しくしてくれる、覚えておくと便利&使えるしまくとぅばことうちなーぐちをご紹介します。
島によって大きく異なるしまくとぅば
石垣島、美崎町の繁華街。大きな“おーりとーり”の文字が迎えてくれる
沖縄の面白看板の中にもしばしばうちなーぐちが登場。かーぎーは顔のことで、ちゅらかーぎと言えば美しい顔をした人のことで、やなかーぎは不美人のこと
あと、NHKの連続ドラマで市民権を得た美人を示す「ちゅらさん」という言葉は、実は沖縄本島の言葉で、宮古では「あぱらぎみどぅん」、八重山では「あっぱりしゃん」と言うので、ついでもこれも覚えておくと何かの時にコミュニケーションを円滑にするきっかけとして大いに役立つかもしれませんね。
会話の中でよく聞く、覚えておくと便利な言葉
波照間のしまくとぅばで書かれた注意書き。日本語訳がないとまったく意味がわかりません
例えば、方角を示す南北東西。南:ぱい、北:にし、東:あがり、西:いりと読むことが多く(若干、場所によって発音が変わりますが)、東崎(あがりざき)、北浜(にしはま)など地名にも多く見られます。また、島人と話しているとよく耳にする言葉として、大変であることを意味する「でーじ」、素敵、いいね、かっこいいという意味での上等「じょーとー」、適当なことを意味する「てーげー」などはエリアに関わらず共通です。
また、沖縄の人は「~しましょうね」という表現をよく使います。タクシーに乗って空港までお願いします、と言うと「空港まで行きましょうね」とか、食堂に入るとまず「今、お水お持ちしましょうね」とか言われます。これはそれぞれ「空港まで行きます」「今、お水持ってきます」という意味で、~しますというニュアンスになります。本土の人には、~しましょうねと言われるとなんとなく柔らかい印象になり、ほんわかとした雰囲気に感じるようです。
◆旅行者でも耳にするよく使われる言葉
- いちゃんだ:無料、ただという意味。「いちゃんだビーチ」は、入場料や駐車場が無料のビーチのことになります
- うーとーとー:拝むこと。御嶽やとーとーめー(沖縄の家にあるご先祖様の仏壇位牌)をうーとーとーする、と言います
- がじゃん:蚊
- がんじゅー:元気
- くれる:あげる、という意味。決して、くれてやるという意味ではないので注意
- しなす:文字通り死なすという意味ですが、沖縄ではちょっと怒った時など「しなすよー」(死なされたいんか?)と言ってわりと軽い感覚で使います。同じようにくるす(殺す)も普通に出てくる言葉
- ちばりよー:頑張れ! 沖縄ではどこでも見かける子供たちによる地域標語の看板などによくある表現。
- ちゅーすがやー:困ったな、どうしようというニュアンス
- どぅしぐわー:友達同士のこと
- はごー:汚い
- ひーらー:ゴキブリ
- ふゆー:ものぐさ、のんびりしていること
- まじむん:魔物のこと。曲がり角やT字路でよく目にする石敢當はマジムン除けに設置されたもの。沖縄ではマジムンは何故か曲がるのがヘタだと言われています
- やーるー:ヤモリ
- ゆくし:嘘 しょっちゅう嘘をついている人のことはゆくさー
- ゆんたく:おしゃべりを意味する言葉ですが、八重山の宿でゆんたくと言うと、夜の飲み会を指します。