色が決まれば仕事は9割うまく行く!?
周囲の人と円滑に仕事を進めながら、自分の伝えたいことは自信をもって伝えることができれば、仕事が上手くいくのに……。男女を問わず仕事をする人なら、誰もが抱える悩みではないでしょうか。心に余裕があれば、想定外の事態にうろたえずに冷静な判断を下すことができます。そして、相手の心のクセを読むことができれば、相手の心をつかむ手助けになるはずです。
仕草や表情などにも心理状態はあらわれますが、無意識に選んだ色づかいにも、心身の状態があらわれます。色が心身に与える影響は、心理学、生理学、医学、脳科学など、さまざまな領域で研究が行われています。
色が与える心理作用
色は可視光の波長で、赤、オレンジ、黄色の長い波長の色は暖色と呼ばれ、人の心臓と神経系の働きを活発にする働きがあります。生理的神経系が活発になると、感情もそれに従います。赤、オレンジ、黄色を見ると、私たちは機敏に、活発に、元気になります。反対に、青や青緑など短い波長の色は寒色と呼ばれ、反対の作用をします。寒色は心拍数や脈拍を下げる効果があり、静かで落ち着いた気持ちになります。緑や紫は中性色と呼ばれ、心臓や神経系に対する作用は穏やかです。このように、色は気分や気持ちを変えるだけではなく、見る人の心拍数や脈拍を上げることもできるし、体温を下げることもできるのです。
色をうまく使える人になろう
無意識にあらわれる仕草や表情を、自分自身でコントロールするのは容易ではありませんが、好きな色や苦手な色は、自分自身で感じることができますし、身の回りの色、身につける色などを変えるのはそれほど難しいことではありません。エモーショナルな働きをするからこそ、色は魅力的で、私たちの心をつかむのです。今の日本では感情的、情緒的であることは、好ましくないと思われがちですが、人生は喜びだけでなく、悲しみや怒りもあるから豊かになるのではないでしょうか。見る色、身につける色、心の中でイメージする色を変えれば、心身も変わっていきます。カラーコーディネートとは、見た目の印象を変える方法のひとつですが、内面と外面のバランスを整える色彩心理のノウハウやカラーコンサルティングのプロセスが不可欠です。
自信をつけるヒントは、“苦手な色”と“外見の色づかい”にある
カラーコンサルティングは、おおまかに2通りのアプローチに分類することができます。ひとつは、「こんな自分になりたい」という理想から逆算するアプローチ、もうひとつは、「こんな自分がいた」「あんな自分がいた」と、自分でも気付かなかった弱点や魅力を発見しながら、さまざまな局面を乗り切るヒントを探すアプローチです。今回のメソッドは、色の持つメッセージを理解することに重点を置き、2つの方法をご紹介しますが、どちらも後者のアプローチをとります。前半では、自分の苦手な色に着目し、心身のコンディションを整える方法をご紹介します。後半は、相手の外見の色づかいに注目し、相手の心をつかむ色の選び方、自己演出のポイントをご紹介します。