映画/口コミでおすすめの青春映画(邦画)

昭和初期の松竹撮影所の青春群像「キネマの天地」

松竹50周年記念作品として製作され、昭和初期の松竹蒲田撮影所内の青春群像を描きました。監督は山田洋次、脚本に井上ひさしと山田太一が参加した豪華版です。中心に描かれるのは、新進女優と助監督の淡い恋。「蒲田行進曲」を基調に、明るく元気な気持ちにさせる山本直純の音楽も印象に残ります。

投稿記事

新進女優と助監督の淡い恋を描いた松竹50周年記念作品

■作品名
キネマの天地 (86)

■監督
山田洋次

■主演
有森也美、中井貴一

■DVD販売元

松竹

■おすすめの理由
この映画は、松竹50周年記念作品として製作され、昭和初期の松竹蒲田撮影所内の青春群像を描きました。

そしてサイレントからトーキーへと移行するこの時代は映画自体の青春時代でもありました。

監督は山田洋次、脚本に井上ひさしと山田太一が参加した豪華版です。

中心に描かれるのは、田中絹代をモデルにした新進女優・田中小春(有森也美)と助監督の島田(中井貴一)との淡い恋です。

■あらすじ
島田は小春に失恋し、一度は撮影所から去りますが、留置場で映画好きの牢名主(ハナ肇)と出会い、思想犯として追われている先輩(平田満)から「もっと映画を信じろ。君は素晴らしい仕事をしている」と諭され、自家で働く幼い女中の唯一の楽しみが映画であることを知るなどして、決意も新たに撮影所に戻ります。

これらは類型的な描写ですが、こうした市井の人々が映画を支えていることを映画人は肝に銘じなければなりません。

そうした思いが、蒲田調(後に大船調)と呼ばれる松竹映画の特徴作りにつながっていったのです。

若き日の城戸四郎撮影所所長(松本幸四郎)や監督の小津安二郎(岸部一徳)、斎藤寅次郎(堺正章)のパロディも見られます。

小春を諭す父親役の渥美清、小春をしごく監督役のすまけいの名人芸も楽しめます。

「虹の都 光の湊 キネマの天地」で始まる「蒲田行進曲」を基調に、明るく元気な気持ちにさせる山本直純の音楽も印象に残ります。


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