そもそも、ラミネートベニア治療とは
ラミネートベニア治療とは、歯の表面を薄く削り、セラミック製のシェル(薄片)をセットする治療法です。ホワイトニングなどよりも歯を白くすることが出来、またセラミッククラウン治療よりも歯を削る量が少ないので、多くの方々に人気のある審美歯科治療です。一時期流行を見せた「人工八重歯」も、ラミネートベニア治療で再現することが出来ます。では、詳しいラミネートベニアの分類や適したケースをご紹介します。
シンプル・ラミネートベニア
シンプル・ラミネートベニア治療とは、基本的に歯並びに問題がなく、歯の色を白く明るく仕上げるラミネートベニア治療です。もともと歯の色が濃いめの方や、歯に縞模様があるテトラサイクリン歯の方、以前に詰め物の治療を行い、詰め物の変色が気になる方などに適しています。現在の歯の形はあまり変えずに、エナメル質を表面から0.7mmの厚さで均一に削り、そこに0.7mmの厚さのラミネートべニアをセットします。ラミネートベニア自体はご希望の明るさになるものを選んで頂きますが、セットする時の接着剤にも色の種類があります。ラミネートベニアをセットする前に「トライイン」と言って、硬化しないシミュレーション用の接着剤を使って、仕上がりの色の具合を見ることが出来ます。この段階で2~3種類の色のトライインを行い、もっともキレイに見える接着剤の色を選択し、最終セットを行います。
またテトラサイクリン歯治療にラミネートベニアを選択された場合には、通常の色の接着剤ではなく、内面の色彩を遮断する働きのある特殊な接着剤を使います。そうすることで、より明るく透明感のある白さを表現することができます。
フルデザイン・ラミネートベニア
フルデザイン・ラミネートベニア治療とは、上記の状態に加えて、歯並びも整えたいと希望される方に適しています。歯並びのガタガタがあったり、すきっ歯だったり歯が小さかったり大きかったりする場合に、色を白くしつつ、同時に歯並びも治すことが可能です。先ほど、ラミネートベニアをセットする場合にはエナメル質の表面を均一に0.7mm削るとご説明しましたが、歯並びを治す場合には、歯の位置によって削る量を調整します。具体的には、歯並びが出っ張ってしまっている部分は歯を削る量が0.7mmより大きくなり、逆に引っ込んでいる部分は歯を削る量は0.7mmより少なくなります。またラミネートベニア自体の厚さ自体も変化させ、歯が出っ張っている部分は薄く仕上げ、引っ込んでいる部分は厚く仕上げます。この方法により、0.7mmの範囲内で歯並びを治すことが出来ます。
歯並びの乱れが0.7mmの範囲に収まらない場合には、ラミネートベニアではなく、オールセラミッククラウンによる治療をお勧めしています。(参考記事:装置を着けずに行う歯並び治療)
次のページでは、ラミネートベニア治療のポイントを簡単にご紹介します。