実際に使ってみて分かる、高感度撮影の余裕
実際の撮影シーンでも大きな違いを感じたのは高感度撮影に余裕があることだ。これは本当に大きな違いとなる。これまでのEOS Kissシリーズでは「ノイズで荒れるからなんとか我慢して低速シャッタースピードで……」というようなシーンでも、X4であれば「ISO1600に上げて、シャッタースピード稼げばいいか」くらいの手軽さで使えるようになっている。
キットレンズの手ぶれ補正機構と相まって気軽に撮影ができ、かつ高画質な画像が得られるようになっている、初心者にとって嬉しいデジタル一眼レフである。
また、露出補正の範囲が±2EVから±5EVになったことも撮影をしやすくなった変更として挙げておきたい。
ライブビュー撮影も可能だが、コントラストAFはマイクロフォーサーズの各機のように軽快ではない。まあ、使えないではないレベルにはなっているといったところではある。
特にブツ撮りなどをする場合には大きな液晶ディスプレイでピント合わせができるのは利点といえるだろう。X3と同様、合焦部分の拡大も5倍、10倍で可能となっている。
その一方で気になったのはキットレンズの解像度だ。メインで使用したのはEOS Kiss X2の発売と同時にリニューアルされたEF-S18-55mm F3.5-5.6 ISだが、本体側の解像度が1.5倍になった現在ではやや厳しいという感触だった。
予算に余裕があるのであれば、標準ズームレンズとしてワンランク上のEF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM、その他単焦点レンズの使用もオススメしたいところだ。
もうひとつ、気になった点が連写速度だ。
エントリークラスのX4にそこまでの連写速度は求めないというユーザーも少なくないだろうが、高画素化の煽りもあってJPEGのラージFineで1枚が6MB前後となっている。CLASS6以上の高速なSDカードを使えばなんとか連写速度である3.7枚/秒の連写を保ち続けることはできる。しかし、RAW、RAW+JPEGでの撮影になるともうお手上げだ。
特にRAW+JPEGでは3枚連写しては記録を待って……というのがパターンになってしまう。こちらも高速なSDカードを用いれば多少はフォローできるが、といったところか。RAW+JPEGのJPEG側がラージFine固定なのはどうにかならないものだろうか。
ちなみにX4はSDXCカードにも対応している。SDXCカードは最大で104MB/秒という高速転送に対応しているので、高速なSDXCカードであれば……という期待もしたのだが、現状では高速なSDXCカードが存在していない。後日、機会があれば試してみたいところだ。