Cカードを取得してダイバーになるには最低限の泳力が必要です。
結論から言うと「泳げなくてもダイビングを始めることはできますが、Cカードを取得してダイバーになるには一定の泳力が必要」です。
インストラクターがフルサポートする体験ダイビングであれば、泳げなくても参加することは可能ですし、ダイビングの講習に申し込む(参加する)こともできます。
ただし、Cカードを取得してダイバーになるということは、バディと一緒にダイビングを楽しんでいて万が一のトラブルの際、「生きて帰ってくる能力(サバイバルスキル)」が身についているということ。例えば、水面で漂流してしまった際、BCなどの浮力体が使えなかったり手放してしまったとしても、体を浮かせて救助を待つ必要がありますし、場合によっては岸まで泳いで戻らないといけない可能性もあります。
最低限必要な泳力とは?
そのため、各ダイビング指導団体によって泳力の規準が設けられており、たとえばPADIのオープン・ウォーター・ダイバー・コースでは、●生徒ダイバーはオープン・ウォーター・ダイブ2の前に、水泳具を使用せずに10分間の立ち泳ぎ/フロートを行なうことによって、足がつかない深さの水面に落ち着いて浮いていられることをデモンストレーションする。
●生徒ダイバーは認定を受ける前までに、水泳具を使用せずに200メートル/200ヤードの距離をノンストップで泳ぐか、マスク、フィン、スノーケルを使用して300メートル/300ヤードを泳ぐという課題を修了する。
※コンディションによっては保護スーツを着用してもよいが、その場合にはウエイトをつけて中性浮力をとる。
という規準があります。
ここまで読んで、もしかすると「私にはダイビングは無理」と諦めてしまう人がいるかもしれませんが、その必要はありません。というのも、上記は講習中にクリアすればよい規準であって、必ずしも講習に申し込む前条件ではないのです。
泳ぎが苦手な人はどうすればいい?
インストラクターの中には泳ぎが得意な人も多く、泳力の規準を満たすためのコツを教えてもらうことも可能でしょうし、プール講習の際にプラスアルファで時間をとってもらい、泳ぎを教えてもらうのもいいでしょう。泳げない、または泳ぎが苦手な人は、Cカード取得講習に申し込む際に、泳力に不安があることを伝え、講習中にきちんとケアしてもらうことが可能かどうかを確認しておくことがおすすめです。実際、まったく泳げなかった、もしくは泳ぎが得意ではなかった人でも、Cカードを取得してダイビングを楽しんでいる人はたくさんいます。中には残念ながら泳力の規準を満たさないままダイバーになってしまった人もいますが、泳げる人と泳げない人では、ダイビング中に起こり得るトラブルを考えたとき、かかるストレスが大きく異なってきます。「トラブルが起きたらどうしよう」と常に不安を抱えたままダイビングをするよりも、「いざというときは泳いで戻れるから大丈夫」と潜っているほうが、楽しくダイビングできるのは当たり前ですよね。不安を抱えたままのダイビングはパニックにもつながりやすく、ダイビングの安全性を考えたうえでも大いに問題があります。
せっかくダイビングを始めるのなら、これを機会に泳力も身につけてしまえば一石二鳥。ダイビングを安全に楽しむためにも、最低限必要な泳力はきちんと身につけておきましょう!