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知らないと危険!海外安全ホームページの正しい読み方(2ページ目)

「海外安全ホームページ」は外務省が世界各国の治安状況などに関してまとめている旅行者にはお馴染みのホームページです。あまり気にしない人もいますが、各地の生の渡航情報を得る手段としては、大変便利なものです。今一度、その基本的な読み方から上級編まで確認してみましょう。

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

現地からのメッセージを見逃すな!

いろいろな国のページを読んでいると、「空港職員と思われる」「警察関係者と思われる」などという表現が時折出てきます。こういう「思われる」人たちは、往々にして旅行者に危害を加えるようです。さて、この「思われる」人たちとは、いったい何者なのでしょうか!?

袖の下を要求する官憲はたくさんいる

袖の下を要求する官憲はたくさんいる

例えばA国の首都空港税関職員が、時折「カモネギ」な旅行者を見つけて、所持品に難癖をつけてはワイロを巻き上げているとします(そんな事例は世界中にいくらでもあります)。

現地大使館としては邦人に注意喚起を促したいはずですが、証拠もなく「この国の空港職員は不正をやっているので注意!」などと公的な文書に書く事ができるでしょうか!?


 
邦人保護も、苦労が多い。現地からの隠れたメッセージを見逃すな!

邦人保護も、苦労が多い。現地からの隠れたメッセージを見逃すな!


 
たとえ確証のあるいくつかの事例が過去にあったとしても、日本の国益のためにもその国に対して遠慮や外交的配慮があって当然ですから、「この国では公僕が不正を働いている」とストレートにはなかなか言えないと思います。とはいっても、不届きな職員から邦人旅行者を守らなければなりません。

すると、どうするか。

それが、「空港職員と思われる」などという表現になることが多いのではないかと私は考えています。

 

過去にはこんな事例も……

海外では警官が悪事を働くことも・・・(写真はイメージです)

海外では警官が悪事を働くことも・・・(写真はイメージです)

10年以上前になりますが、「横にPOLICEと書いてあるパトカーのような車に乗った警官風の人物」というような事例がある国の滞在情報の中に出てきました(東欧のある国ですが、随分前の話ですし、その国の名誉のために国名は控えておきましょう)。

その者は、路上で外国人旅行者に難癖をつけては金品を巻き上げているとのこと。

もしこれがニセ警官だったとしたら、自家用車に自分で「POLICE」とペイントして乗っていることになります。ご近所様に、「自分は偽警官やってます」と宣伝しているようなものですね! そもそも、本物のパトカーそっくりに改造できるお金と行動力のある人ならニセ警官なんてやっていません。第一、そんな車“仕事”以外に使えなくなっちゃいます(笑)。当然、警察のおとがめも受けることになるでしょう。

そうやって深読みして考えていくと、「あ、これは本物のパトカーに乗った本物の警官がやってるな」と推測できるわけなんですね。

 

「POLICE」と書いてあっても安心はできない(写真はイメージです)

「POLICE」と書いてあっても安心はできない(写真はイメージです)

「~と思われる」「~の服装をした」というような表現で、よろしからぬ公僕の話が出てきたら、「一部にこういう事やってるヤツがいるから気をつけて!」という現地大使館からの精一杯のメッセージだと受け取るべきです。これを見逃してはいけません。特に旧社会主義国や経済的に困窮している国のページに時折出没します。

しかし、こういった国には「れっきとしたニセモノ」も多数存在することが多いので、不正を働く者が全て本物というわけではもちろんありませんので注意が必要です。さらに、もう明らかに公僕が不正をしていて隠す必要もないような国のページには、遠慮なくその旨注意が書かれていますので、文字通り警告として受け止めてください。


次ページは、過小評価されている犯罪多発国の渡航事情

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