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昔話は、変わっていいの?(2ページ目)

昔話の結末が変わってきている。その事実をご存知でしたか? 特に今40代の方は、お子さん向けの絵本の結末が変わっていることにびっくりされているかもしれません。昔話は何を伝えるものなのか。教育的観点から、ちょっと考えてみませんか?

執筆者:青木 美惠子


結末はみな、「罪を憎んで人を憎まず」

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無菌状態で社会に出ることで生まれる弊害はないのでしょうか?

「はだしのゲン」の閲覧規制問題のときもそうでしたが、どうやら「暴力などの不適切な描写があるから」との理由が、本来その物語などが伝えたいことよりも優先されることが多いようです。これらの動きを見ていると周囲の意図が大きく反映されたものが世に出回る可能性も出てきて、本当のことを読み取る力、感じる心がどう育っていくのかがちょっと心配されます。表現云々の前に、もっと本当に大切なことは「物事の本質がなにであるか」を見失わないことだとは思いませんか?

「はだしのゲン」は、戦争の悲惨さを伝えています。同じように昔話も、人の心の残酷さ、この世にある不条理を伝える話もあると思います。それらにふたをして社会に子どもたちを出してみたところで、現実に不条理はなくならないですよね。

争いごとは消える訳ではないし、ふたをした分無菌状態で育ってきているともいえる子どもたちは、抵抗力がない分より繊細で傷つきやすい心が育まれているともいえるのではないでしょうか?

これでは、悪循環をいつまで経っても止めることができないと思います。新しく結末の変わった昔話や、人気の絵本「あんぱんまん」などでは一貫して「罪を憎んで人を憎まず」といった教えが説かれているようです。が、そうはいっても言うは易し、行うは難しなのではないでしょうか。

ツイッターをはじめとする迷惑行為の拡散などで、処分を受ける子どもたちが問題視されています。そのうちに「罪を憎んで人を憎まずといったのに」という理屈が出てこないとも限らない。「罪を憎んで人を憎まず」であるとしても、現実に行ったことの責任は発生してくる。それをどこまでケアして伝えていけるか、結局は問われてくるのです。

子どもたちに、大人が言い伝えていくべきこととは?
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