文芸誌「MONKEY」創刊記念・柴田元幸トーク&朗読会
10月4日 Rainy Day Bookstore & Cafe(東京)

MONKEY

柴田元幸さんと小島ケイタニーラブさんのサインをいただきました。

柴田元幸さんのトークは、サンフランシスコの文芸誌の話から始まった。

映画監督のフランシス・フォード・コッポラが発行する「Zoetrope」、凝った造本で知られる「McSweeney's」。柴田さん曰く、ニューヨークの文芸誌よりも、サンフランシスコの文芸誌は自由な感じがするという。実物も見せてくれた。定形がなくて、毎号見た目も中身もバラバラ。こんな雑誌があるんだ、という驚きがある。

柴田さんは小さな絵本がたくさん詰まった宝箱のような「McSweeney's」から、ブライアン・エヴンソンの「本と女の子」を訳し、朗読する。絵本がお手製の紙芝居になっている! 終末的な世界で、本と一緒にいつづける女の子のお話。ゲストのミュージシャン、小島ケイタニーラブさんが、ギターで伴奏する。朗読と演奏がいつのまにか融け合っているところに引き込まれた。

他に朗読されたのはポール・オースター「フルーム族」、ディーノ・ブッツァーティ「七人の使者」、エミリー・ディキンソン「詩」、アイザック・バシェヴィス・シンガー「靴紐に寄せる惜別の辞」。不穏だったり、滑稽だったり、崇高だったり。素晴らしかった。「フルーム族」は「MONKEY」創刊号で、「詩」は同時刊行の『アメリカン・マスターピース 古典篇』で読むことができる。

小島さんは「サマーライト」「フォークダンス」「コヨーテ」、そして雑誌と同じタイトルの「MONKEY」を弾き語り。なんと柴田さんも歌と演奏を披露した。曲目は「ヒア・カムズ・ザ・サン」。

文学と音楽とおしゃべりの境目はなく、ただただ面白いことが詰め込まれている。この朗読会自体が、自由な雑誌のようだった。

「MONKEY」創刊号

メインの特集は「青春のポール・オースター」。オースターが1967年から70年にかけて書いた未完の小説の草稿と断片の翻訳、オースターが若き日について語ったインタビュー、高橋源一郎によるオースター論などが掲載されている。

連載陣は川上弘美、岸本佐知子、古川日出男、村上春樹。どれも特定のジャンルに分類不可能の不思議な味わいの文章ばかり。

「猿のあいさつ」と題した柴田さんの創刊の言葉によれば、
日本あり外国あり現代あり古典ありで、自分たちが読んで面白いものを好き勝手に取り上げていこうと思います。
とのこと。毎号、何が出てくるかわからない雑誌だ。

 ・スイッチ・パブリッシング…「MONKEY」を発行する出版社。イベント情報などもわかる。




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