フラメンコ/フラメンコを鑑賞する

フラメンコ舞台の鑑賞ポイント……服装や鑑賞マナーとは?

今回はフラメンコ鑑賞の楽しみ方と鑑賞ポイントをご紹介します。当日の服装や鑑賞マナーとは? フラメンコには、大きく分けて2つの舞台があります。「テアトロ」は、一般的なステージがある劇場で行う公演。「タブラオ」は、食事をしながら見ることができる舞台での公演です。

手下 倭里亜

執筆者:手下 倭里亜

フラメンコガイド

フラメンコ鑑賞の楽しみ方とポイント……服装やマナーは?

フラメンコ鑑賞の服装は?

フラメンコ鑑賞の服装は?

フラメンコには、大きく分けて二つの舞台があります。1つは、「テアトロ」。一般的なステージがある劇場で行う公演です。もう一つは「タブラオ」。食事をしながら見ることができる舞台での公演です。

今回はフラメンコらしい「タブラオ」を中心に、この二つの舞台それぞれの楽しみ方と鑑賞ポイントをご紹介します。
 

「タブラオ」の楽しみ方と鑑賞ポイント

タブラオTadashiundefinedKobayashi(写真撮影)

タブラオTadashi Kobayashi(写真撮影)

1:まずは予約を入れましょう!
これは、舞台のチケットを取るのと同じで、ショーを鑑賞するうえで大事なポイントです。

お店によって、1部と2部の入れ替えもあるので、ショーが始まる時間が何時からかを確認しておきましょう。ショーチャージが発生するので、どのようなシステムになっているか、事前に調べてくことが重要です。本場スペインでも同じシステムです。

ショーの時間が食事と重ならないように、ショーの時間の40分前ぐらいにお店に入って、飲み物と食事を楽しむのが通。食事後ゆっくりとショーが見られるので良いですよ。お店の探し方は、グルメサイトで「フラメンコ」と検索するとたくさん出てきます。

2:舞台鑑賞のマナー
ショーが始まるときは、手拍子ではなく、拍手で演者を迎えましょう。そのうちに舞台だけが明るくなり、お店が暗くなります。おしゃべりはやめて、ショーに集中しましょう。ショー目的で来ているという事を忘れずに。

舞台では、踊りはもちろん、ギター、カンテ(唄)、パルマ(手拍子)、ハレオ(掛け声)で白熱してきます。舞台で繰り広げられることに観客も熱くなり、思わず手拍子をしてしまう方も多いようですが、これはNG!

舞台と観客席が近いこともあり、フラメンコの手拍子はドラムなどと同じく、リズムをキープする重要な役割を果たします。観客席からの手拍子はそのリズムの妨げになってしまいますので、要注意。舞台と観客が近いタブラオならなおさらです。舞台に出ている人達へケンカを売っているみたいになってしまいますので、気を付けましょう!

ただし、「OLE!(オーレ!)」や「BIEN(ビエン・いいぞ!)」など、ハレオと呼ばれる応援の掛け声はOKです。掛け声をかけるだけでも出演者も盛り上がるので、観客も舞台も一体化して、やみつきになること請け合いです。ぜひ、かけてみてくださいね。

3:どんな格好で行けばいい?
スペインでは、ジーパン、短パンはお断りというお店もあるぐらい。基本タブラオのショーが始まる時間は夜なので、昼間の格好がラフな服装であったとしても、服装には少し配慮が必要です。着替えて、ちょっとおしゃれしていきましょう。その方が気分も盛り上がります。

4:鑑賞の仕方
ショーは催し物にもよりますが、大体2部構成になっていることが多いです。一般的なタブラオのショーの構成は、まず、出演者全員が出てきます。フィグーラと呼ばれる、そのときのショーで一番最後に踊る、一番上手な人がそのショーのまとめ役が多いのですが、その方は出ないこともあります。

次に、舞台の椅子に踊りの人も歌の人も、ギターの人も座ったり、立っていたりしますが、一人だったり、二人だったり踊りが展開していきます。合間にギターのソロ演奏や、カンテ(歌)の演奏だけが入ったりします。出演者全員舞台に上がっているので、一枚の絵のように見えることから、クワドロ(絵)フラメンコという形式が出来ました。あと、踊り手一人が舞台に上がってくる形式はアトラクション形式といって、この形をとることもあります。
 

「テアトロ」の楽しみ方と鑑賞ポイント

1:テアトロの楽しみ方
テアトロ(劇場)の鑑賞もタブラオと同じことが言えますが、劇場公演は お食事はもちろんありません。催しものがある、前後に劇場の近くで済ませましょう。終わってからの余韻を楽しむのも、劇場公演の楽しみ方。友人などと連れ立って鑑賞し、終わって美味しいものを食べるのも、大人の楽しみ方の一つです。

2:テアトロの鑑賞ポイント
舞台形式なので、その時々で形は違いますが、ギター、カンテは歌舞伎のお囃子のように常に舞台にいます。フルートやカホンという木の箱をたたく打楽器を使ったり、ベースや、チェロ、バイオリンなど、様々な楽器が使われたりしますが、基本はギター、カンテ、踊りの三位一体がベースにあります。踊りをしてない人もパルマ(手拍子)やハレオ(掛け声)をかけたり、歌を歌いながらパルマを打ったり、それぞれがいろんな役割をして一つのものを創りあげていきます。出演者全員の呼吸を合わせて、リズムをつむぎだしていきます。

時に止まったり、早くなったり、遅くなったり、テンポが変わっていくのが、フラメンコの特徴でもあります。それを舞台上ですばやくキャッチしてみんなで作っていきます。もちろん、舞台経験が増えてくると、時に即興でもテンポを変えて踊ることが出来ます。同じ演目であったとしても即興があり、毎回違う舞台を観ることができるのも、楽しい部分です(通の人たちがOLE!という部分です)。

舞台の踊り手の迫力ある足さばきを鑑賞できるのも、ポイントの一つです。前の座席に座ると、目の高さより少し高い位置にある踊り手の高度な足技が良く見えます。タブラオは、目の高さと同等なために、どうしても上半身しか見えません。やや離れた位置に座ると、衣装の全体や踊り手の鍛えられた全身など、広く舞台上を見渡せることも、テアトロ鑑賞のポイントとなります。

いかがでしょうか? ちょっと興味がわいてきませんか? ぜひ足を運んで、その熱い舞台にぜひ触れてみてください。

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