実質的存続性っていったいなんのこと?
合併前後で、ジパング社がどのように変わったか、下図で確認してみましょう。このように比較してみると、合併前後で、事業や代表取締役、株主構成が大きく変化してしまったことがわかります。
プライム社はそもそも通販事業を行うために上場したのでした。
ところが、事業実態が全く違うものになってしまったこと。それだけでなく、株主構成や役員構成も含めて、まったく別の企業のようになってしまったこと。これらを総合的に見ると、非上場の旧ジパング社が、合併をうまく利用することで上場企業に変身したかのようです。
ジパング社が当てはまるかどうかはさておき、合併等を利用した一連の取引により、非上場企業が上場企業になり、上場企業の事業実態が大きく変化することを、「裏口上場」と呼ぶことがあります。
このような取引を規制するために、東京証券取引所では、「実質的存続性」に関する規制を設けています。
合併等により、企業の実質的存続性が認められなくなった場合は、猶予期間を設けたうえで、新たに上場審査に準ずる審査を行い、それをパスできなければ上場廃止となるというものです。
これにより証券取引所も裏口上場を防止したいという考えです。
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