株・株式投資/決算書からチェック!気になる銘柄の株価

M&Aを繰り返す上場企業への投資は慎重に(2ページ目)

企業の合併で問題になってくるのが、「実質的存続性」。合併などを利用した裏口上場を防止するための規制です。合併により事業内容や経営陣が大きく変動した企業へ投資するときには慎重な姿勢で臨みましょう。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

  • Comment Page Icon

実質的存続性っていったいなんのこと?

合併前後で、ジパング社がどのように変わったか、下図で確認してみましょう。
【図2undefined合併前後の比較】

【図2 合併前後の比較】(クリックで拡大)

このように比較してみると、合併前後で、事業や代表取締役、株主構成が大きく変化してしまったことがわかります。

プライム社はそもそも通販事業を行うために上場したのでした。

ところが、事業実態が全く違うものになってしまったこと。それだけでなく、株主構成や役員構成も含めて、まったく別の企業のようになってしまったこと。これらを総合的に見ると、非上場の旧ジパング社が、合併をうまく利用することで上場企業に変身したかのようです。

ジパング社が当てはまるかどうかはさておき、合併等を利用した一連の取引により、非上場企業が上場企業になり、上場企業の事業実態が大きく変化することを、「裏口上場」と呼ぶことがあります。

このような取引を規制するために、東京証券取引所では、「実質的存続性」に関する規制を設けています。

合併等により、企業の実質的存続性が認められなくなった場合は、猶予期間を設けたうえで、新たに上場審査に準ずる審査を行い、それをパスできなければ上場廃止となるというものです。

これにより証券取引所も裏口上場を防止したいという考えです。

上場企業の「実質的存続性」はどうチェックする?続きは次のページで>>>
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます