HTML5アプリの特徴
以下に、iOSやAndroidなどのネイティブアプリと比較したときのHTML5アプリの特徴を述べます。■メリット
- ダウンロードがいらない :URLにアクセスするだけで使えます。
- 審査がいらない :iOSアプリのようにストアへの審査はいりません。
- 学習コストが低い :Webの技術を知っていればすぐに開発できます。
- クロスプラットフォーム :ブラウザがあればどんな機種・OSでも動作します。
- 課金モデルが自由 :マーケットの制約にとらわれることなく課金を行うことができます。
■デメリット
- デバイスの機能が使えない:Bluetoothなどの高度なデバイス機能は使えません。
- 処理が遅い :負荷のかかる処理を行うとパフォーマンスが低下します。
- 広げるマーケットがない :AppStoreやGoogle Playのような大きなマーケットはありません。
HTML5アプリの成功例
HTML5アプリに振り切って成功した例として米国Financial Times(以下FT)のアプリが挙げられます。もともとFTは新聞が購読可能なiOSアプリを配信し、有料購読によって収益をあげていました。しかし、iOSのアプリ内で課金する場合、課金額の30%をAppleに取られてしまいます。Webで課金を行う場合にはコミッションを取られることはないため、AppStoreでの配信をやめ、HTML5のアプリとして配信していくことにしました。そうしたところ、ユーザー登録が増え、大きな収益をあげています。FTのアプリはこちら(スマートフォンでアクセスしてください)
Financial Timesのアプリ。URLにアクセスすることで使える。
このようなニュース配信サービスは、高度なデバイス機能を使うことや激しいアニメーションなどはありません。また、課金も自由に行えるため、HTML5アプリにぴったりだったといえるでしょう。とはいえ、AppStoreがなくともこれだけ広げられたのは、もともとアプローチできるユーザーが大量にいたからでしょう。現状では、HTML5アプリを作っても広める場所がありません。
しかし、規模は大きくありませんが徐々にHTML5アプリのマーケットも立ち上がってきています。次ページではHTML5アプリのマーケットをご紹介していきます。