FARPLANE NIGHT 夏回が目指すのはソウルフルな盆祭り

alt=""

FARPLANE NIGHT vol.10

日本の夏の風物詩と言えば盆祭り。現代ではよくあるお祭りの一つになってしまった感があるが、江戸時代にあっては、皆が思い思いのコスチューム、振り付けでオールナイトで踊り狂い、さらには男女のハッテンの場になるという非常に特殊かつエネルギッシュなイベントだった。

これからご紹介する『FARPLANE NIGHT』は毎年夏と冬に開催され、さまざまなジャンルのアッパーな音楽、ファッション、カルチャーが入り乱れる、その派手さと盛り上がりに定評のある大阪の名物イベント。特に夏の回は盆を強く意識しており「お盆をハロウィンのように日本ならではのソウルフルなお祭りにしたい」と毎回さまざまな工夫を凝らしている。
alt=""

大盛り上がり!

数百年の時間が流れ、異なることが多々あることはもちろんなのだが、そのはっちゃけぶりと身体の心から揺すぶられるような高揚感には「もともとの盆祭りってこういうものだったのかもしれないな」と思わされるのだ。

サマソニ、ワールドハピネスのさなか

今回の『FARPLANE NIGHT』は2013年8月11日、大阪アメリカ村を代表するクラブ『JOULE』と『DROP』で二ヶ所同時開催された。この日、東京ではワールドハピネス、大阪ではサマーソニックという日本を代表する巨大フェスが開催されていたが、アメリカ村界隈で話題になるのはもっぱらこの『FARPLANE NIGHT vol.10』。

オープン前には三角公園を中心に『アメリカ村 盆祭(ぼんさい)』というこの地域全体を巻き込んだお祭りも開催されており、昼夜あわせて参加する客も多かったようだ。
alt=""

『アメリカ村盆祭』にはきゅうりとなすが好物というお盆にぴったりのゆるキャラ『とっぴー』も参戦。筆者とともパチリ

街おこしのためにアメリカ村 盆祭を企画しているのもFARPLANE NIGHTの主宰もロビンだということも関係しているだろうが、別にそういう関係性を知らなくてもそれぞれが楽しいイベントだということはアメ村っ子やクラバーの間で周知の事実。筆者も別件の取材で昼からアメリカ村にいたが、音楽やファッション方面で見たような顔の多いこと多いこと。
alt=""

FARPLANE NIGHT主宰のロビン

何人の人に「来てたんや」「おひさしぶり」と言ったか数え切れないほどだった。

オープン早々のJOULEを盛り上げた行者ボーイズ

alt=""

お祭り集団『ザ・行者ボーイズ』

FARPLANE NIGHTは二つのクラブで同時に進行しているため、行ったり来たりしながら目当ての出演者を観るのだが、オープン早々のJOULEでひときわ異彩を放っていたのは"お祭り集団"を自称するMC×パフォーマンスグループ『ザ・行者ボーイズ』。
alt=""

ロボ

ハイテンションなMC、ダンス、天狗?ロボットまで動員してのなりふりかまわない煽りにフロアはまたたく間にヒートアップ。クラブイベントの始まり際って、盛り上がりムードに入るまでに「さて、どうするかな」みたいな間があるものだが、行者ボーイズはそれをいともたやすく突き崩してしまった。

大阪コア&ディープミュージックの雄 赤犬

続いてはDROPに移動して『赤犬』のステージ。
alt=""

アダルトムードの赤犬

大阪のコア&ディープミュージック(としか表現しようがない)の雄として1990年代からフジロックに出演したり『アンテナ』、『ほんとにあった! 呪いのビデオ』などの映画音楽を担当したりとコンスタントに話題を振りまいている彼ら。

筆者が最後にステージを観たのはもう10年くらい前で、特にボーカルが現在のイトウタカアキに変わってからの様子がまったくわからず少し気にかかっていたのだが、今回ようやくお目にかかることができた。

印象としては……以前のようなハイテンションなロック的煽りや、歯切れのいいスカ、ルーツミュージック感はなかったが、代わりにいぶし銀の昭和風ジャズな重厚感、ナンセンス歌謡っぷりが気持ちよく、コーラス勢のねっとりしたアクションも秀逸だった。これからも是非コア&ディープなスタンスで続けていってほしいバンドだ。

現代のマリリン・モンロー……より可愛らしいBetico Rougeピンナップショー

赤犬の後はそのままDROPに残り『Betico  Rouge』のピンナップショー。現在、愛知県を中心にモデル、ショーガールとして活躍している彼女。どこか1940年代~60年代のアメリカ感をただよわせながらも、一周まわってそれを見事に現代のセンスに昇華させているのが彼女ならではのオリジナリティだ。
alt=""

Betico Rouge

まったりとしたBGMにあわせて、しかし息つく暇もないほどに間をとらえたキュートな振り付け&ウォーキングは男のみならず女子からもため息が漏れるほど。

人をひきつける才能って言うのだろうか。それまで「可愛い!」「細い!」とか言いながらざわめいていたフロアが、ショーもたけなわ、「ププッピドゥ~♪」でおなじみ、マリリン・モンローの『I wanna be loved by you』を歌った時には黙りこくってBeticoの口元ただ一点に視線をそそいでいた。すごいな。個人的に印税ビジネス狙って曲を提供したいくらいです、えぇ。
alt=""

『I wanna be loved by you』を歌うBetico Rouge

 

関西R&R、ロカビリー界の総決算!シャマラマ

その後またまたJOULEに戻り『シャマラマ』のステージ。昔にくらべるとなんだか元気のない関西のR&R、ロカビリーシーンから、その窮地を救うべく垣根をこえていろいろな顔役が一斉集合したオールスターバンドだ。
alt=""

シャマラマ

ファイヤー、ライナス、スティービー和田……その道の音楽に首を突っ込んだことのある人なら必ず聞いたことのあるビッグネームがクールス、ラッツ&スター、映画『グリース』のナンバーなどおなじみの曲を演奏も完璧に歌い踊る。

個人的にも、本格的な音楽活動を始めた頃にライナスさんやスティービー和田さんには非常にお世話になった経緯があるので、知り合って10年以上たってなおこうやって第一線で活躍されていることは感慨深い。

『週末ダイナマイト』、『グリースド・ライトニング』、『Let's Twist Again』など、シャマラマによってふただび命を吹き込まれた往年の名曲たちは、おそらくそれを知らないフロアの大多数にとっても刺激的だったようで、ステージを見よう見真似で身体をねじって踊りだす者大多数。
alt=""

ハンドル持って『グリースド・ライトニング』

alt=""

内田裕也のバックを務めるなど全国的に評価の高いサックスプレーヤー『スティービー和田』。筆者、中将タカノリに加賀テツヤさんを紹介してくれたのもこの人。

古いものも、新しいものも、楽しいものであれば偏見なく受け入れる懐の深さがFARPLANE NIGHTの魅力だが、シャマラマの出演はまさにそこにピッタリはまったのではないかなと感じた。

ほかにも大義のDJなど盛りだくさんなFARPLANE NIGHT

alt=""

大義と

今回の記事ではライブとショーの紹介がメインになってしまったが、FARPLANE NIIGHTではDJに関しても非常に面白い実力派が顔をそろえている。以前、このコーナーの記事「歌謡曲でモッシュ! DJイベント『歌謡deポン!!』」で紹介した大義もその一人だ。

初回から約5年、10回目を迎えていよいよ盛り上がっているFARPLANE NIGHT。今後もどのような新しい興奮を提供してくれるのか追っていきたい。