海外を旅したとき、あんまり重いお土産は買って帰れないけれど、 布ものだったらなんとかなるような気がして、つい気を許してしまう。 かさばる、というほどではないから、スーツケースの隙間に小さくたたんで押し込んでみたり、 ついでに割れ物を包んでみたり。 モノはできるだけ減らしたいのが基本なのだけれど、布は何かと便利だから、と言い訳しては、 タンスにどんどん増えていく・・・こういう経験はありませんか?
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あちこちから集まった布たち
キッチンクロスは初めて海外で買ったとき、あまりの使いやすさに感動を覚えたほど。 今ではちょっとした雑貨屋さんに行くと、外国製の大判クロスが普通に売られているけれど、 普通、日本のお皿拭き用クロスって、小さくてすぐびしょぬれになっちゃって、という印象だったから。すぐにパリっと乾く大きなクロスが気持ちよくてたまらなかった。
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ぶどうの収穫の絵。縁にみどりの糸で点々と縫ってあるのもかわいい。
私が最初にキッチンクロスを買ったのは、フランス・パリのマレ地区にあったリネン専門店。 小さな店だったけれど、いろんな色のカラフルなクロスが置いてあって、 ちょっと興奮しながら、あれこれ眺めていたのを覚えています。 上の写真のような白地のシンプルな食器拭き用クロスから、 テーブルリネンとして使う、少し高級感ある落ち着いた色使いのものまで 様々な布が並んでいました。 このクロスはずいぶん前に買ったものだけど、がんがん洗濯しても丈夫なので、今も現役です。
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カレンダーになったクロス。ゴッホの絵のよう。南仏らしい色使い。
次に私がはまったのは南仏。プロヴァンス柄の布をマルシェやお土産屋さんで、 次々に買い求めていました。黄色やグリーンなど、カラフルで元気な色合いが 魅力的で、当時の部屋のインテリアも南仏がテーマだったほど。 この地方を旅すると、どこのレストランでも鮮やかな色柄のテーブルクロスを掛けていて、 より食事がおいしく感じるのでした。 写真のクロスは手芸屋さんにあった、カレンダー付きのクロス。 カレンダーとして壁に飾った後、次の年には働いてもらう、実用的なクロスです。
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帆布を作っていたからか、厚手のリネン100%。
ブルターニュ地方を訪れたとき、昔帆布の生産が盛んだった、という小さな町へ行きました。 今はその技術を利用して、テーブルリネンが作られています。 厚手の丈夫な麻布で白いラインの模様入り。他にも赤や青など、どれもシンプルなライン模様が入っているのが特徴のようでした。使う前に12時間水に浸して、一度洗濯してください、という注意書き付き。 買うときにもお店の人に、この注意書きを守るよう、かなり真剣に言われました。
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バスグッズ専門店・コテ・バステュドのクロス。
パリにも路面店がオープンした、南仏のバスグッズ専門店、コテ・バステュド のクロスは上品なイメージ。お店自体クラシックな印象で、入るときちょっと緊張する ほどなのですが、バスリネンと一緒にキッチンクロスも数種売られていました。 ダークグレーの薄紙で包み、麻のリボンまで巻いてくれたため、なんだか大層なものを 買ってしまったような気分。香りろうそくや、バスオイル、石鹸など、女性ならうっとりするような 繊細で可憐なデザインの品物が並んでいて、贅沢な気持ちを味わえるお店です。
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