雑貨/北欧・ヨーロッパ雑貨

スウェーデンの心の故郷から生まれた手工芸(2ページ目)

昔ながらの伝統や文化の残る、スウェーデン・ダーラナ地方。ここの手工芸品を紹介する、展示会が開催されました。(9月14日までやってます!)

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド




バスケット
日本でも人気の高い、木の皮で編んだバスケットたち。


表情豊かな木の道具たち

木目の模様が美しく、つい手で触れてみたくなる質感。 森に囲まれた国であるスウェーデンは、木工品もたくさんあります。 白樺、柳、パインなどを使った家具や生活道具は、木の表情を生かした 素朴なものが多く、同じ木の国である日本人にとって親しみやすさを感じます。 真ん中の写真に写っているフタ付きの容器はパン入れで、スウェーデンで スタンダードに食べられているクリスプブレッド(ドーナツのように真ん中に穴の開いた、 パリっと乾燥したクラッカーのようなパン)をしまうためのものだそうです。 こういった、木をまるく曲げて作った箱のようなものは、スウェーデンで結構作られているそうですが、 日本のまげわっぱとちょっと似ていて、親近感が湧いてきます。

赤い紐の編まれた黒い器や果物を切ったような作品たちは、 アーティストの感性によってデザインされたものですが、 伝統的なスウェーデンのうつわとも相性がよく、暮らしの中へすんなりと溶け込むような 安らぎがあります。遊び心を取り入れながらも、奇をてらったものはあまりなく、 ほのぼのと温かいデザインが多いのです。 外側を青く塗ったうつわたちは、生木の状態で彫っているので、 出来上がったときはまあるいかたちでも、使い込むほどに自然な木の収縮によって、 ゆるやかなだ円に変わっていくのだそうです。




鍛冶工房で作られる、素朴な鉄製品

日常や自然をモチーフにした、温かみのあるアイアンのクラフト。 スウェーデンの人たちは、現在でも家ではキャンドルを灯す生活を楽しんでいます。 長く寒い冬を家で過すことの多いスウェーデン。キャンドルの灯りは、家の中を 温かく柔らかな光で照らしてくれる大切な生活道具です。 寛ぎの時間をより豊かに過ごせるように、様々なデザインの燭台が作られています。 写真下、左端にあるハート型の燭台は、伝統的なモチーフを施して作られたもので、 それぞれに宗教的な意味を含んでいます。 てっぺんについた雄鶏は勤勉、ハートは愛、小さな葉っぱのモチーフは、 キリストの使徒を表しているそうです。 この鍛冶工房は1922年創業で、元々は農機具の作成や修理を行っていました。 現在は燭台のほか、屋根につける様々な風見鶏や暖炉に使う道具、 フックなどインテリアパーツの制作も行っているそうです。




ヨブスのハンドプリント・テキスタイル

タペストリーとしてどーんと飾っても、好きな絵柄部分を
インテリアのモチーフに使っても、どちらも楽しめる。
今回の展示で、館内に入ってまず目を引いたのが、天井から垂れ下がった大きなタペストリー。 大胆で賑やかで、でも北欧らしさのあるシックで大人っぽい色使い。 そして、どこか人をワクワクさせるようなデザインなのです。 「おじいちゃんの庭」と名付けられたタペストリーにはたくさんのカラフルな植物や果物が描かれ、 まるで楽しそうに踊っているかのようでした。 全てスウェーデンに自生する植物をモチーフにしているそうです。 様々な要素がバランスよく描かれているので、大きなプリント全体をパッと広げて見渡しても、 ある部分を切り取って細かな絵柄をクローズアップしても、それぞれに違った楽しみ方を発見できます。

ヨブス・ハンドトリック社は、海外にも多くのファンを持つ、ハンドプリントのテキスタイルメーカー。 オリジナルのデザインは500種類以上あるとか。 1944年にヨブス夫妻が始めた工房は、今も家族経営で、30mの長いテーブルの上で何種類ものステンシルを操り、 全て手作業でのプリント作業を行っています。 自然をモチーフにしたものが多く、いつまでたっても色褪せないデザインなため、 古いパターンを何度も使ううちにステンシルが擦り切れてしまい、 それらを丁寧に修繕しながら、同じ道具を使い続けているそうです。


テキスタイル
その他布製品いろいろ。カラフルだけど落ち着いた色使い。


ヨブス以外にもテキスタイルのクラフト品はいくつか展示されており、スウェーデンらしい独特の発色が 魅力的です。スウェーデンのハンドクラフトは、全体的に草花や動物など自然の風景をデザインしたものが多く、 暮らしの中で日常に密着していることが伺えます。 また冬が長く厳しい分、夏の光のまぶしさを切実に待ち望み、めいっぱい楽しみたいと願っている、 自然を心から愛するスウェーデン人たちの気持ちが反映されているようにも思います。

オーナメント
パーティーやお祝いのとき、テーブルに置くというオーナメント。薄い金属を
曲げて作られています。デザインは古い壁画からインスピレーションを得て。


「スウェーデン交流展2007
~ダーラナ地方とレクサンド市の手工芸と文化~」

会場: スウェーデン大使館内ギャラリー
東京都港区六本木1-10-3

期間: 2007年9月4日(火)~9月14日(金)
9:00~17:00(12:30~13:30は昼休み 土日休館)


■お問い合わせ
財団法人スウェーデン交流センター

北海道石狩郡当別町スウェーデンヒルズビレッジ2-3-1
Phone 0133-26-2360 Fax 0133-26-2992
http://www4.ocn.ne.jp/~sweden/index2.html






■関連記事
丸一日遊べる!IKEA港北
表参道・ルバーブ/路地裏の小さな宝箱
スウェーデン!
MARKTE 小伝馬町の新しい隠れ家
東京で「手創り市」開催
西と東、古と未来をつなぐ店 燕子花
木の道具
鉄の道具
ヨブス
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで人気の雑貨をチェック!楽天市場で人気の雑貨をチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます