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ママ自ら、叱りネタを増やさない
メソッド1「今を叱る」では、話の中心は、「時間軸」でした。昨日も、おとといも、いつもいつも、と時間軸を広げてしまうことで、的がずれてしまうという内容でした。メソッド2は、メソッド1ととてもよく似ていますが、テーマが、「時間軸」から「空間軸」に変わります。「空間軸」と言われてもピンと来ないと思いますので、早速、例でご説明しましょう。たとえば、おもちゃを片づけない子に、
「何をやらせてもグズなんだから!お片づけも、ご飯も、お着替えも、何もかも時間がかかりすぎよ!」
と叱るのはその典型例です。このように、その子の苦手なことを全部かき集めて、「何もかも」とまとめて叱ってしまうと、何が起こるでしょう?
そうです。叱る的が広がってしまいます。「目の前」で起こっている「おもちゃを片づけない」という問題をはるかに通り越してしまうのですね。
一見、「何もかも」と大きく叱った方が、効き目がありそうな気がするのですが、実際、子どもに伝わる内容は薄まってしまうのです。
そして、いったん大きな叱りネタへと成長させてしまうと、ママの心の中は穏やかでいられなくなります。結果、感情的にドカンと叱ってしまうことに!
ポジカリ3原則 その2:「目の前」のことだけを叱る
ポジカリ3原則の2つめは、「目の前」のことを叱る。目の前でお子さんがやっていることにだけ注目し、あれもこれもと叱りネタを広げません。ママの心のなかで、叱りネタを増やさないためです。そのとき問題になっていることから、他へ飛び火させないようにするには、
「今、叱るのは、お片づけのことだけ!」
と自ら言い聞かせるのがポイント。なぜ言い聞かせるのがポイントかと言うと、人は、意識をしないと、元々持っているクセに戻る傾向がとても強いからです。逆に、「意識、意識!」と続けていると、ある日、それが新たなクセとなって定着します。ポジカリがクセになるまでは、ぜひ、「意識、意識!」を心がけてください。
「目の前のことを叱る」コツは、第一声を発する前に、「自分は何を叱ろうとしているのか?」をしっかりと見極めることです。目の前の何について叱りたいのかを具体的にしてみるのです。
- 床に広げたブロックを箱に片づけないことなのか
- お友達を叩いてしまったことなのか
- 食べないでお喋りし続けていることなのか
- 「ブロックを青い箱に入れなさい」
- 「緑の丸いブロックが2つ残っているよ」
いったん話を広げてしまうと、一気にイライラがこみ上げてきて逆戻りがしにくくなりますので、叱り始めが肝心です。「目の前のことだけ具体的に。話を広げない!」と自分に言い聞かせるように意識づけすると、だんだんそれが習慣になってきます。
まとめ
<ポジカリ原則 その2:目の前のことを叱る>■子どもに伝わらない叱り方:
「何もかもできていないじゃない!」
「何をやらせても、ダメなんだから!」
「人の話を何も聞いていないんだから!」
だと、大き過ぎて伝わらない。
■子どもに伝わる叱り方:
「ドラえもんが終わったら、テレビを消しなさい」
「ピーマン、あと2つになったよ。頑張ってるね」
「青いペンのキャップをしなさい」
だと、お互い誤解がない。
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