欧州の香り漂うデュアリスに乗れなくなる?
2007年5月、欧州で鍛え上げた走りを掲げて大々的なデビューを果たした日産デュアリス。3代目プリメーラなどをデザインしたステファン・シュワルツがチーフデザイナーを務め、イギリスを拠点にベルギーやドイツ、スペイン、ロシアなどで試作段階での走り込みを行い、ザックス社製のショックアブソーバーを使うなど、欧州の香りが漂うSUVとして登場した。
当初は英国からの輸入販売だったが、日本分は日産九州工場が生産を受け持っていた。日本での発表会に出向いたが、タレントやモデルなどを起用するのは常套手段で、押切もえを登壇させるだけでなく、河森正治氏デザインによる「パワード・スーツ・デュアリス」も登場させたCMやPVも記憶に新しい。
気になる次期モデルだが、日本導入は見送られ、欧州専用モデルとなるという噂が飛び交っている。正式な発表はないが、もし次期モデルが日本にはないとなるとやはり寂しい。
多すぎるSUVを整理!?
一方で日産には、デュアリスの上下をフォローするようにコンパクトなジューク、ミドルサイズで売れ筋のエクストレイルもあるからSUV系はやや多い印象も受ける。さらに、サイズも価格も車格もまったく異なるが、スカイラインクロスオーバーやムラーノなどもある。
2010年のマイナーチェンジを最後に変更は受けていないなど、今年に入ってからは毎月300台~200台前後と、販売台数の落ち込みだけでなく、デビュー時の勢いはどこへやら販促面でも尻つぼみという印象を受ける。
そもそもデュアリスは、VWゴルフやフォード・フォーカスなどの欧州Cセグメントをターゲットに据えたFFベースのクロスオーバーで、4WDを軸とした本格的なSUVではない。
こうした戦略は悪くはないだろう。たとえばMINIクロスオーバーは、MINIというブランドあっての存在感だが、SUVというカタチを使ってタウンユース中心のクロスオーバーを作るのはどのメーカーもやっていることだ。ただし、なんちゃって感が過ぎるとユーザーに見透かされてしまうので、SUVなりクロスオーバーである理由やストーリーは欠かせない。
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