“2500万円以下”で最も素晴らしいスポーツカー
2012年のロサンゼルスショーで初公開された2シータークーぺ。2.7Lエンジンを積むケイマン(6MT 612万円/7PDK 659万円)と、3.4LのケイマンS(6MT 773万円/7PDK 820万円)
まずはご自身で、その定義を、考えてみてほしい。
いかがだろう、いざ定義づけをしようと思うと、意外にそうか否かの線引きが難しいと思われるのだが……。人それぞれに知識や経験がって、その結果、クルマ観の差が当然、生じる。おのずとスポーツカーの範囲も、人によって変わってくるものだ。
たとえば、2ドアクーペと見れば何でもスポーツカーだと言う方もいるだろうし、アバルト500のMTなら運転も楽しいしスポーツカーだよねとおっしゃるマニアもいることだろう。免許取り立ての頃なら、軽トラだってスポーツカーに思えたものだし、オフロード派ならジムニーやランドローバーだって立派なスポーツカーだと言うに違いない。
ロードカー=一般道を走っていいクルマ、において、スポーツカーか否かの境界線を引くことは、本当に難しい。けれども逆に、その核心を言うことなら、実はたやすかったりする。誰が何と言っても、シロウトだろうがクロウトだろうが、老若男女すべてにとって、スポーツカーであることが、まるで揺るがない、そんな存在……。
さしずめ今回の主役であるポルシェケイマンなどは、兄弟車ボクスターと並んで、モダンスポーツカーの核心にある、と断言したい。
モダンスポーツカーの核心をあらわすキーワードを、ケイマンとボクスターという具体例から導きだしてみれば、こうなる。
クーペとオープン、2シーターでミドシップ、高性能エンジンにマニュアルトランスミッションとよくできた2ペダルミッション、強いボディと鍛え抜かれた足回り、そして走りへの期待が膨らむデザイン……。
夢物語ではない価格(←スポーツカーにはとても大事な要素)、現代のクルマ生活に必要な機能や質感など実用車的側面なども考慮にいれると、ケイマン&ボクスターはまず間違いなく、今日本で買える、2500万円以下カテゴリーの、最も素晴らしいスポーツカー、である。