相続・相続税/相続税の申告・納税方法

うっかりでも脱税?相続税の申告漏れ等の実態(2ページ目)

相続税の脱税や過少申告による納税不足は、適正に納税した人に対して不公平であり、厳しく調査されます。税務調査・申告漏れによる納税不足について、その実態をご紹介します。

小野 修

執筆者:小野 修

相続・相続税ガイド

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どんなことを調査されるのか

被相続人や相続人の過去の預貯金などの動きを調査し、遺産の申告漏れがないかを調査することが中心です。被相続人が「相続人の名義で預貯金をしていないか」「相続人の資産の購入代金を支払っていないか」など、お金の流れがほとんどです。

不動産が漏れることは少ないですが、金融資産は漏れやすく、言い換えれば「脱税しやすい財産」でもあるため、金融資産が多い人に税務調査が実施されやすいのも理解できます。

どれくらいの申告漏れがあるのか

思いもしなかった財産まで相続税の対象に

思いもしなかった財産まで相続税の対象に

国税庁発表のデータを見ますと、税務調査が実施されたうち8割以上に申告漏れがあるのが実態です(平成23事務年度で80.9%)。

相続税は資産家のもので自分は必要ないと思い込み、申告をしていなかった「うっかり」にも容赦はありません。故意に遺産を申告しなかった脱税行為だけでなく、計算誤りや相続人が遺産と思わなかった相続人名義の財産の漏れなども含まれています。

やはり金融資産の漏れが多く、特に配偶者は被相続人とお財布が一つであることが多いため、配偶者名義の財産に遺産が含まれているとされることもあり、これには相続人も驚くことが多いようです。

申告漏れに対する税金はどうなる?

申告に漏れていた遺産に対しては相続税がかかり、かつペナルティが加算されます(平成23事務年度で757億円)。脱税などの悪意のあったものはペナルティの金額はさらに高くなります。

なお、相続税の計算上は相続人全員が増額になるため、相続人のうちの一人が漏らした(もしくは隠した)財産だった場合にも、全員追加納税・ペナルティの支払いが生じます。

過去に税務調査で追加納税をしたことがあるという人から、「相続税対策に生前贈与をしていたが認められなかったために相続税がかかった」と聞くことがあります。相続税対策もやり方を間違えると何の意味もなくなってしまうことがありますし、悪意がなくても税務署は悪意ある脱税と認識してしまうこともあります。何が被相続人の遺産になるのか、できれば生前から、気になることは税理士に相談しておくとよいでしょう。

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