ところで、この配当金。金額が多いと株価も高くなるのでしょうか? 配当金と株価にどのような関係があるのか、考えてみたいと思います。
ソフトバンクの配当性向と配当利回り
ソフトバンク(9984)の決算短信を見てみましょう。決算短信の1ページ目に「2.配当の状況」という項目があります。ここにソフトバンクが行った過去の配当の実績が記載されています。平成24年3月期は期末配当40円。平成25年3月期は第2四半期配当20円、期末配当20円で、合計40円。ちなみに、平成26年3月期の予想については、現時点で未定とされています。
これ以前の平成23年3月期の配当は実は5円でした。平成24年3月期に業績が伸長し、借入金の返済も進んだため、増配することで株主に対して還元する利益を増加させたのです。
そもそも配当金というのは、企業が株主に対して交付する金銭です。企業が事業活動によって利益を得て、そこから税金を払ってもなお残っているお金については、株主に配当することができます。配当金の金額は取締役会でいつ、いくら交付するかを決定します。
利益のうち、どれだけを配当にまわしたか、その割合のことを「配当性向」といいます。例えば、1株当たり当期純利益(税金を払った後の利益)が100円あり、そのうちの30円を配当したのであれば、配当性向は30%となります。
ソフトバンクの場合、1株当たり当期純利益258.35円に対して配当金は40円ですから、
配当性向 = 40円 ÷ 258.35円 = 15.5%
となります。
また、株価に対する配当金の割合のことを「配当利回り」をいいます。
ソフトバンクの場合、株価4340円(2013年3月末現在)に対して、配当金が1株40円ですから、
配当利回り = 40円 ÷ 4340円 = 0.9%
となります。
それでは、ソフトバンクの増配は、株価に対してどのような影響を与えたのでしょうか? 次ページを見てみましょう。