20代の若者は欲求が満たされる傾向に。
対して30代は欲求があっても実行に移せない?!
最後に、「旅行の希望がある人が、実際に過去2年間にでかけた率」をテーマ別にグラフ化してみました(算出方法:該当テーマを目的に、過去二年間に1泊以上の旅をした人÷該当テーマで旅をしたい人×100)。すると20代は比較的、希望通りに旅を実施しており、「美術鑑賞」をのぞいて「旅行の実施率」は、すべて全体平均を上回りました。中でも「スキー・スノボ」については、希望者の87.2%が、実際に過去2年間に旅行を実施しているという結果に。
■テーマ別 20代、30代の希望者の旅行実施率(過去2年間)
また旅の同行者に「ひとり」を選ぶ割合が、他の年代と比較して20代は高くなりました。既婚率も低く自由に動けること、目的がはっきりとしている趣味をキーにした旅においては一人でも躊躇なく出かける姿が垣間見られ、「若者は旅に出ない」は過去のものになったと思われます。
対して30代は「希望はあるが、実行に移せない」姿が浮き彫りに。「スポーツ、スポーツ観戦」64.3%、および「美術鑑賞」64.0%については実施率が高い傾向にありますがそれでも希望者の60%台。20代の状況とは明らかな差があります。理由として、家庭を持って自由な行動がしにくくなること、また現在の30代はロストジェネレーション世代と重なり、欲求はあっても実際に実行するには経済、環境、心理的な壁が高いことも考えられます。
かつて「旅へ出ない」といわれた若者は、年月を経て30代を迎えていると考えられます。若者に対しての需要喚起ももちろんですが、30代に向けた施策も今後重要になってくるのではないでしょうか。