単なる思い込みかもしれませんが、西洋医学の医薬品は身体に負荷をかけて病気を治すのに対し、東洋医学の漢方は身体の自己治癒力を高めて病気を治す、というイメージを持っています。そんな漢方薬のトップブランドがツムラ(4540)です。
今日はツムラの決算書を見ると同時に、障がい者雇用率について見てみたいと思います。
負の遺産も一掃し、業績好調!
ツムラは1893年(明治26年)4月に津村順天堂として創業されました。1980年(昭和55年)に東証二部に上場し、1982年(昭和57年)には東証一部に指定替えされました。漢方に特化した医薬品メーカーで、医療用漢方製剤で国内シェア8割超です。
2013年3月期の決算を見ると、売上高 1056億円、経常利益243億円、当期純利益153億円、総資産1700億円となっています。
では、ツムラの決算短信と有価証券報告書を使って、過年度の状況も含めて見てみましょう。
【図1 自己資本比率と経常利益、株価の推移】
直近の自己資本比率は68.6%、ここ10年の経常利益は増加トレンドを維持しています。総資産経常利益率は15.1%、ROE(自己資本当期純利益率)は14.1%と、上場企業のなかでも特に優れた水準を維持しています。
2013年3月期の経常利益は243億1000万円で、2014年3月期の業績予想では251億円と、さらなる増益を計画しています。
ツムラの過去を振り返ると、1998年3月期~2001年3月期にかけて4期連続で最終赤字となり、自己資本比率は34.1%から5.8%まで低下しました。子会社事業の整理などによる損失でした。
しかし、2002年3月以降は、着実に事業を改善し、業績を積み上げ、財務体質を強化してきました。その結果が、今の強固な財務体質と収益力に現われています。
この堅実な業績回復と成長の陣頭指揮を取ってきたのが、芳井順一氏でした。2004年6月に代表取締役社長に就任し、2012年6月に取締役会長となるまで、8年間にわたってツムラを改革してきました。そして、2012年6月の株主総会で、加藤照和氏が代表取締役社長に就任されました。
国内でのシェアが8割となっており、今後の大きな成長は難しそうに思われますが、そのような外部環境のもと、加藤社長がどのように業績を伸長させていくのか、楽しみです。
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