窓・サッシ・玄関ドア/窓リフォーム[通風・採光]

出窓リフォームの落とし穴、失敗事例とその対策

出窓リフォームでよくある失敗事例と、快適に過ごすための対策方法をご紹介します。出窓は上手に作れば、とても便利に使えます。(2017年改訂版、初出:2007年6月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

出窓は最近の新築住宅では、あまり見かけなくなりましたが、上手に作ればとても便利に使えます。でも意外な落とし穴にはまってしまうことも。出窓リフォームでよくある失敗事例と対策をご紹介しますので、事前にチェックしておきましょう。

出窓の取り付けリフォームで、家が傷んでしまうことも

窓と女性

出窓リフォームをすれば、部屋はひろびろ、インテリア性もう向上する。

リビングやキッチン、寝室などに出窓の取り付けリフォームをすれば、部屋が明るくひろびろとした雰囲気になり、またカウンターの上に花や季節の飾り物を設えることができるなど、インテリア性も大きく向上します。

しかし、やたらに出窓をつけてしまうと、かえって居心地が悪くなったり、家を傷めてしまうことも。既に出窓が付いている家でも、このような悩みを抱えている人は少なくありません。

上手に作ればメリットがたくさんある出窓リフォーム、よくある失敗にはどんなものがあるか?実際にあった事例とその対策方法をご紹介します。

 

出窓リフォームの失敗事例

●その1-たった1年で真っ黒に腐った出窓のカウンター

水滴

出窓の結露問題は多い。小さな水滴が、家に大きな被害を及ぼすことも。

北向きの子供部屋に、出窓の取り付けリフォームを行った。出窓は一般的な角型タイプで、木のカウンターが付いていた。

狭い子ども部屋も、出窓のおかげで明るくひろびろとして、最初はよかったのだが、冬になるとガラスに水がつたわるほどの結露が発生し、ひと冬で木製のカウンターが真っ黒になってしまった。

リフォーム業者に見てもらったところ、カウンターは既に腐り始めていて、その水が内部に伝わって、窓を支える構造部分にまで腐食が進み始めているとのこと。

原因は、出窓の断熱性能が低いために起きた結露だとわかったが、やり直すにも費用が掛かるので、とりあえず気付いたら水滴を拭き取る、よく換気するなどの対策を取ることにして、そのままになっている。

【原因と対策】
出窓部分は、屋内側は凹んでいるので空気だまりができやすく、屋外側はガラス部が飛び出しているので冬に冷えやすい状態にあり、結露が起きやすい環境にあります。結露を防ぐためには、ペアガラスへの交換や内窓の設置で、断熱性能を上げる工夫をしましょう。

既製品の出窓に内窓を取り付ける場合は、新たに枠の造作が必要です。カウンターの手前に取り付ける方法もあります。また結露を防ぐためには、風通しにも気を配りましょう。

 

●その2-背伸びしないと開け閉めができない出窓

カーテンを開ける女性

出窓の開閉のしやすさもチェック。ガラスの掃除がしやすいかも忘れずに確認して。

キッチンリフォームの際に、狭いキッチンを少しでも明るく広く、風通しをよくしたいと思い、大きな出窓を取り付けてもらった。

工事が終わり、窓を開けようとしたら、背伸びをしても出窓に上手く手が届かない。開閉に手間が掛かってメンドウなので、今では窓は閉めっぱなしになっている。

【原因と対策】
キッチンやデスクカウンターなどの奥に出窓を取り付けたい場合は、手が届くかどうかよく検討しましょう。出窓の前に家具を置く場合も、開閉のしやすさを確認することが大切です。また開閉方法によっては、ガラスの掃除がしにくいことも。掃除のしやすさも忘れずにチェックしておきましょう。

 

●その3-出窓を付けた甲斐がないリフォームに

本

出窓のカウンターの高さに要注意。高すぎると飾る物が映えなくなる。

リビングの小窓を出窓に交換するリフォームを行った。もともと床から90cmと少し高い位置についていたが、窓の位置を変えると外壁の工事が大変になると言われ、そのままの位置で交換することにした。

無事に工事は終了したが、出窓の位置が微妙に高いため、花や人形を飾ってもバランスが悪く、部屋がひろびろという感じもしない。

結局カウンターの上は、収納に入りきらないモノの一時置き場所となり、それらが光を遮るため、いつも部屋が薄暗くなり、リフォームした甲斐が感じられない結果となった。

【原因と対策】
出窓は取り付け高さが重要です。位置が高すぎると、バランスが悪くなり、飾り物を置いても映えず、結局はただのモノ置きになってしまうことも。出窓は低めの位置に取り付けると安定感が増します。

椅子に座る部屋か、床に座る部屋かによっても出窓のちょうどよい高さは変わります。リビングでも、床に座ることが多い暮らしなら床からカウンターまでの高さを50cm以内に、ソファーに座る暮らしなら70cm以内にしておくと、落ち着き感が出ます。

 

●その4-出窓にリフォームしたせいで真夏の部屋の中が温室状態に

リビングに出窓が欲しいと思ったが、南側の窓は庭に出る掃き出しなので、西側に出窓を付けるリフォームをした。今までも窓があったから大丈夫と思っていたが、雨戸や庇が無いので西日を遮ることができず、夏の夕方になるととても暑くなってしまった。

【原因と対策】
出窓には雨戸や庇が取り付けしにくいので、西側の壁面に付けるのはお勧めできません。暑さ対策の方法としては、出窓のガラスを遮熱+断熱性能が高いエコガラスに交換する、外側に日除けを付けて直射日光を遮るなどがあります。

出窓に後付けできるシャッターブラインドもあります。ただし取り付けできる出窓の形状に制限がありますので確認が必要です。最近では窓上部に障害物があってシャッターボックスが取り付けできない窓向けに、下に向かって畳むブラインド式シャッターもあります。

出窓にも付くシャッターブラインド

出窓に後付けできるシャッターブラインド。下に開くので上部のシャッターボックスが不要 (三和シャッター


シャッターの取り付けができない場合は、窓の内側に断熱スクリーンを取り付けしておくといいでしょう。暑さだけでなく寒さも防ぐことができます。出窓にするとガラス面が増えますので、遮熱と断熱の対策を忘れずにしておきましょう。

 

次のページもまだまだ続く!出窓リフォームでの失敗事例。痛い思いをする出窓、ご近所との距離感に問題が?リフォーム成功のコツもご紹介します。
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