ベルン周辺の小さな町めぐり
ベルンとインターラーケンの中間付近にある町がトゥーン 画像提供:
スイス政府観光局 www.myswiss.jp
ベルン周辺の町はユングフラウ地方へのアクセスも便利
ベルンの町を築いた中世の有力貴族ツェーリンゲン家は、トゥーンやムルテンなども手がけました。そのため、建物の外観や町全体の雰囲気もベルンに共通するものを感じさせます。町の創建当時は木造の家が中心でしたが、時代の変遷とともに石造りと赤レンガの屋根が特徴の美しい街並みが現れました。
ここで紹介する町は、いずれもベルンまで列車で30分程度です。例えば人気の観光地、ユングフラウ地方も日帰り圏内。朝早めに出発すれば、ユングフラウ地方でたっぷり一日を過ごすことができます。ツェルマットやレマン湖地方まで簡単に足を伸ばすこともできますよ。
遊覧船もおすすめの可愛い町、トゥーン
湖船は移動と観光を兼ねた交通手段 画像提供:スイス政府観光局 www.myswiss.jp
トゥーンに関する詳細記事>>>ベルンとユングフラウを結ぶ湖畔の町トゥーン
歴史的建造物が凝縮、ムルテン
ベルンの西約20キロ。ローカル列車で約40分の位置にあるのがムルテン(地図3)の町です。スイスのドイツ語圏とフランス語圏の言語境界線付近にあるため、ドイツ語読みの「ムルテン」は、フランス語読みで「モラ」とも呼ばれています。ムルテンも、ベルンやトゥーン同様、12世紀にツェーリンゲン公によって創建されました。旧市街をぐるりと囲む市壁がみごとに残ります。城門から反対側の城門まで歩いても10分ほどの距離。この小さな一角の中に、13世紀から18世紀の歴史的建造物が凝縮されています。
ムルテンはスイスという国が形づくられる過程で、フランスとの天下分け目の戦いが行われた場所としても有名です。1476年、スイス西部への進出を目論んだのがブルゴーニュ軍(フランス)でしたが、ムルテンはベルンからの援軍を得てみごとにこれを撃破しました。
町の西側にはムルテン湖が広がります。ムルテン湖の北側には、ヌーシャテル湖、ビール湖があり、3つの湖は運河で結ばれています。夏の観光シーズンには、湖船で運河を渡りながら3つの湖を巡ることもできます。
中世の街並みを残すフリブール
サリーヌ川の湾曲部分に発達した町(地図4)で、ここもツェーリンゲン家による創建です。ムルテン同様スイスのドイツ語圏とフランス語圏の境界上にある町で、ドイツ語読みでは「フライブルグ」と呼ばれます。ドイツに同じ地名があるため、混同を避けるため一般的にはフランス語読みの「フリブール」が使われています。フルブールは中世の街並みを色濃く残す町で、旧市街にはゴシック様式の建築物が軒を並べます。聖ニコラ大聖堂、屋根付きの木橋のベルン橋、市庁舎など、旧市街のみどころも一杯。人口は約35,000人と小さな町ですが、坂が多いため町を見て回るのに最低でも半日は確保したいものです。
鉄道駅はチューリッヒ~ベルン~ジュネーブを結ぶ幹線上にあり、ベルンまで列車で約30分、レマン湖畔のローザンヌまで約45分。アクセスもとても便利です。フリブールを宿泊の拠点として、スイス各地に足を伸ばすのも良いでしょう。
ヌーシャテル
スイスの天才時計職人、ジャケ・ドロー作の自動仕掛け人形 画像提供:スイス政府観光局 www.myswiss.jp
時計やオルゴールなど精密機械産業が盛んな地域で、自動仕掛け人形で有名な歴史美術館があります。少し足を伸ばせば、近年世界遺産に登録された時計産業の町、ラ・ショー・ド・フォンやル・ロックルまで足を伸ばすこともできます。
ホテルも10軒ほどあるので、ヌーシャテルで1~2泊してみるのも良いでしょう。特徴のあるホテルとしては、ヌーシャテルの湖上に建つホテル・パラフィット。ケルト文化を紹介する博覧会で、湖上に作られた高床式の建物がこの5星のホテルに生まれ変わりました。
ベルンからの列車のアクセスは、途中ビール/ビエンヌ駅で乗り換えて約1時間。チューリッヒやジュネーブからも直通列車が出ています。