シェアハウスの入居者のメリットは?
シェアハウスであれば、家賃が安いと思われがちですが、必ずしもそうではありません。一般の賃貸住宅を仲間とシェアする場合は賃料を案分できますが、事業者介在型の場合は入居者相互がコミュニケーションをとりつつトラブルなく過ごせるように、手厚い管理をしているため、相場並みの賃料となっているのが一般的です。ただし、敷金や礼金、仲介手数料などの費用が不要(保証金は必要)という物件が多いため、初期費用が安いというメリットが挙げられます。
また、通常、個室や共用部には必要最低限の家具・家電などが付いていること、インターネット環境も整っていることなどから、身軽に賃貸暮らしを始められるということもメリットになるでしょう。なお、毎月支払う共益費には、水道光熱費やインターネットの回線使用料なども含まれることが一般的です。
ほかにも、女性の中には、水まわりが充実している点をメリットに挙げる人もいます。同程度の賃料のワンルームに住む場合であれば、ユニットバスやミニキッチンなど水まわりはかなり小型化されてしまいますが、シェアハウスなら、大型の浴槽やキッチンを利用できますし、時には入居者と一緒に食事したり分け合ったりできることなどにも魅力を感じるようです。
手軽に賃貸暮らしが始められ、個室でプライバシーが保たれる一方、共用部で交流できるというメリットを感じるシェアハウスの入居者には、20代後半から30代前半の女性社会人が最も多いといいます。
UR「多摩平の森団地」を再生したシェア型賃貸住宅「りえんと多摩平」を企画・運営するのは(株)リビタ。複数人が同時に使える大型のキッチン(左側)と食事をしたりくつろいだりできるラウンジ(右側)のほか、ランドリーコーナーやシャワールーム、ウッドデッキなどの共用部がある。
「りえんと多摩平」の個室部分。ベッドやデスクと椅子、収納、エアコン、インターネット設備、冷蔵庫などが付帯されている。
シェアハウスを選ぶ際に注意する点は?
一方、シェアハウスには、注意点もあります。まず、シェアハウスでは、最低限のマナーやルールを守り、入居者同士のコミュニケーションを楽しみながら、気持ちよく共同生活をおくるという生活スタイルを好む人に向いている住居形態です。
複数の入居者が、同じ時間帯に浴室やキッチンを利用したいというときもあるでしょう。その時には、譲り合ったり、あらかじめルールを設けるなどの入居者相互のコミュニケーションが必要です。利用した共用部は、次の人が気持ちよく使えるようにきれいにしておくのも当然のマナーです。
また、シェアハウスといってもいろいろな形態があります。物件によって、生活上のルールが違ったり、共用部の施設設備やその利用料の有無が違ったりします。共用部の定期的な清掃については、運営事業者側で行うことが多いようですが、その頻度も違いますし、入居者が持ち回りで清掃するところもあります。家族や友人の宿泊を禁じているところ、事前申請があれば認めているところなどの違いもあります。こうした物件ごとの違いをあらかじめ理解して、自分に合うものを探す必要があるでしょう。
運営事業者の違いも大きなチェックポイントです。入居者同士のトラブルは入居者自身で解決するのが原則ですが、物件の管理担当者が定期的に巡回して入居者の相談に応じてくれることなどが、トラブルの回避につながることが多いので、どういった管理をしているのかも確認しておきたい点です。
さらに、運営事業者の中には、入居者などが参加できる交流イベントを開催しているケースも見られます。こうした交流のきっかけづくりの有無などもチェックポイントになるでしょう。
■シェア住居統計データの詳細/ひつじ不動産「THANKS REPORT」
http://www.hituji.jp/comret/survey/20130418-100000-thanks-report